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虎の巻
「虎の巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虎の巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
っている、つまり、人の思惑に少しもたよっていないらしいという、画法のプリミチヴな
虎の巻を、竹一から、さずけられて、れいの女の来客たちには隠して、少しずつ、自画像....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
えってしまった。 が、それよりもなお失望したのは、戸沢図書虎伝授の甲賀流忍術の
虎の巻が見当らなかったことである。 実は佐助が「信州にかくれもなき雲をつくよう....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
振をして偸み視、聞かぬ様をして偸み聴、人を見れば盗坊と思えちょう恐き誡めを職業の
虎の巻とし果は疑うに止らで、人を見れば盗坊で有れかし罪人で有れかしと祈るにも至る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かな》をつけたりして、やっと読むことのできる語録を二三冊持っていることが、和尚の
虎の巻で、それを取り上げてしまえば、水をあがった河童《かっぱ》同様で、講義も提唱....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
くちゃならないってわけもないだろう」 「意地わる云わないで……ね、ほんとに」 「
虎の巻があるのさ」 伸子とウメ子とは、思わず目を見合わせた。 「どこに?」 ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の奇抜なことは、真に、お負けなしの古今無類で、現代の所謂常識や科学知識の如何なる
虎の巻を引くり返して来ても到底歯が立ちそうにない。流石の名法医学者若林鏡太郎博士....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
いろいろと、ちがった動作をするようにできている。わしのポケットに、それを説明した
虎の巻があるから、出してみたまえ」イワノフ博士は、身体をねじってポケットを帆村の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
(評釈) 爰に説いてある所は、正に幽明交通に関する、最も親切にして、要領を掴める
虎の巻と称しても、決して過言でないと思う。心霊実験に何の理解も経験もない者は、き....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
人は目白の先生の紹介で律気な人だもんだから、一冊一冊大体発行年代と定価見くらべて
虎の巻を出して字引のようにして買い値をきめてゆきます。つい去年の秋ごろは、一円五....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
なものであったかも知れないと思ったのである。 樋口家には十数巻の奥義書があり、
虎の巻、獅子の巻、竜の巻、象の巻、犬の巻なぞと名がついていて、これは一子相伝で、....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
トオというカケ声を私は生まれてはじめてここで聞いた。 極意書を見せてもらった。
虎の巻、獅子の巻、竜の巻、象の巻、犬の巻などがあって、
虎の巻が最後の奥許しである....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
れたせいか、いろいろなことを知っていられるので、難儀します……これは、試験勉強の
虎の巻のようなものだが、法的価値がないことはない……実験してみましょう」 芳夫....
「アイヌ語学」より 著者:知里真志保
いような人々が、バチラーさんの辞書と永田方正さんの『北海道蝦夷語地名解』を唯一の
虎の巻として、アイヌ語のカムイは神様の意味で、コタンは村だから、カムイコタンは、....