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虎穴
「虎穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虎穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
宮の条に見えたり、唐土《もろこし》の小説に虎を山猫という事、『西遊記』第十三回〈
虎穴に陥って金星厄を解《とりのぞ》く〉といえる条に「〈伯欽|道《い》う風※|是個....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いわせるようなことになって、そのまま命を奪ってしまうようなことになれば、せっかく
虎穴《こけつ》に入って、貴重な虎児《こじ》を取り逃がしてしまったのでは、また捜し....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
は四方八方に駈け廻った、第一お浦の邪慳なのに驚いた、如何に腹が立ったにもせよ人を
虎穴も同様な所へ欺き入れ、爾して外から錠を卸して立ち去るとは何事だろう、余はお浦....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
先生――最後の方ですね――との三人に別れてしまったという訳です。そこで無電小僧は
虎穴に飛び込んだのです。先生の所にいれば、隙があれば先生の持っている分を引きさら....
「焦点を合せる」より 著者:夢野久作
。 君はこの船を普通の船と見て乗った訳じゃなかろう。最初から秘密があると睨んで
虎穴に入ったんだろう。序にこの船の秘密を看破ってやれという気になってここまで降り....
「惜別」より 著者:太宰治
。自惚れを捨てて、まず西洋の科学の暴力と戦わなければならぬ。これと戦うには、彼の
虎穴に敢然と飛び込んで、一日も早くその粋を学び取るより他は無い。日本の徳川幕府の....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
われは「うがち過ぎ」をこわがらないで「言わずもがな」をけ飛ばして勇敢に創作心理の
虎穴《こけつ》に乗り込んでみなければならない。しかしこれはなかなか容易な仕事では....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
を」女は袖を放さなかった。 そこで葉之助は考えた。 「この屋敷へ入り込むのは、
虎穴へ入ると同じだが、そういう冒険をしなかった日には、虎児を獲ることはむずかしい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の結果、彼の頼もしい友人たちと企《くわだ》てた大奥侵入の空想も、七兵衛の身を以て
虎穴《こけつ》を探って来た報告によれば、どうしてどうして、伊賀流の忍びの秘術を尽....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ているので、あのひとさえそういうならと、案外石川さんを予約出来たりする様子です、
虎穴に入らずんば、のところがあっておかしいわね。 さて、先週の火曜からの一週間....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
すがるのである。私自身がオッチョコチョイの窮地へ落ちこむことによって、おのずから
虎穴に虎児をつかむのが要するに私の要領というものだ。 私はさっそく大浦種則を訪....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
あらず、謹厚の人もまた絳衣《こうい》大冠すと驚かれたる劉郎《りゅうろう》の大胆、
虎穴《こけつ》に入らずんば虎子を得ずと蹶起《けっき》したる班将軍が壮志、今やこの....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
て来た。今出かけてはドーブレクに衝突かるので家から出る訳に行かない。仕方がない。
虎穴に入らずんば虎児を得ずだ。今少しここで見ていてやろう――ルパンはそう思って食....
「謎の女」より 著者:平林初之輔
するんですか?」 龍之介はまだ職業意識をぜんぜん放棄したわけではなかった。だが
虎穴に入らずんば虎児を得ずという一かばちかの気持ちで、降って湧《わ》いた奇妙なア....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
ならねばならぬ。 君子は危うきに近よらずという。私はここから引返そうと思った。
虎穴に入らずんば虎児を得ずという。私は前へ進もうと思った。そして奈良田にゆけば雪....