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「虐遇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虐遇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自分だけの世界」より 著者:辻潤
スと呼んでも差支えはあるまい。如何に永い間、「自我」が色々な物によって迫害され、虐遇されたか、――そしてそれが如何にしてスチルネルの力によってその本来の姿に立戻....
奴隷根性論」より 著者:大杉栄
くことを知らない暴慢と残虐とが蔓こる。 かくして社会の中間にあるものは、弱者を虐遇することに馴れると同時に、また強者に対しては自ら奴隷の役目を演ずることに馴れ....
近時政論考」より 著者:陸羯南
論に以為らく、「政府なるものは人民を保護するにあり、もし保護せずして反りてこれを虐遇するはこれを圧制政府という。圧制政府はいつにおいてもどこにおいても人民の顛覆....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
文壇は、実にこうした蒙昧《もうまい》期にある。 さればかかる文壇から、詩が常に虐遇されることは当然である。文壇がむしろ真にレアリズムに徹底して、痛烈なる芸術至....
雁坂越」より 著者:幸田露伴
奉公しようと、山奥の児童にも似合わない賢いことを考え出して、既にかつて堪えられぬ虐遇を被った時、夢中になって走り出したのである。ところが源三と小学からの仲好朋友....
兄と弟」より 著者:宮本百合子
ら極度に落魄して、弟作人と一緒に母方の伯父の家にあずけられた。魯迅は「そこの家の虐遇に堪えかねて間もなく作人をそこに残して自分だけ杭州の生家へ帰った」そして、病....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
の姉が、少き時配偶を誤りたるため、放蕩にして軽薄なる、その夫判事なにがしのために虐遇され、精神的に殺されて入水して果てたりし、一条の惨話を物語りつ。語は簡に、意....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
みると母は丈夫で元気だった。永い間あれほどの苦労の種だった船長は、もう悪しき者|虐遇を息める処(註三三)へ行ってしまった。大地主さんは、何もかも修繕させ、食堂な....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
不可思議、運命との連結、召喚されていわば服従を強いられたる川や野や森や丘、戦場を虐遇するまでに立ち至る専制者、戦略に交じえられたる天運を増大せしめつつしかも乱し....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ゃく》を攻撃し、祭壇の名によって司教の冠を攻撃することである。おのれが導くものを虐遇することである。後ろに乗せて引き連れてるものを後足《あとあし》でけることであ....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
時|孤児《みなしご》となり叔父《おじ》の家に養われたりしが、生れ付きか、あるいは虐遇せられし結果にや、しばしば邪《よこしま》の径《みち》に走りて、既に七回も監獄....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、薄墨のように黒かった。 それにしても、紙帳に近寄る男は斬り、紙帳に近寄る女は虐遇むという、この左門の残忍性は、何から来ているのであろう? 紙帳生活から来て....
空家」より 著者:宮崎湖処子
の曲淵には去年の秋この村に嫁ぎたる阿豊《おとよ》と言える女房、姑《しゅうとめ》の虐遇に堪えで身を投げたるところにして、その一頃の波脈々としてサワ立てるは、今も亡....
彼等流浪す」より 著者:小川未明
の中央ロシヤの平原に於けるそれであった。 彼等は、この広い天地に、曾て、自分を虐遇したとはいえ、少年時代を其処に送った郷土程、懐かしいものを漂浪の間に見出さな....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
寛政頃からエタに対する圧迫はますますひどくなった様である。彼らが特別に世間から虐遇せられる様になったのは、実に今から僅かに百余年以来の事だとは、案外千万の感が....