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虚偽
「虚偽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虚偽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
している。――
「独歩は恋を恋すと言へり。予は憎悪を憎悪せんとす。貧困に対する、
虚偽に対する、あらゆる憎悪を憎悪せんとす。……」
これは信輔の衷情だった。彼は....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
から妻を引き離そうかと云う問題に、毎日頭を悩ましていた。あの男の愛《アムウル》に
虚偽《きょぎ》はあっても、妻のそれは純粋なのに違いない。――こう信じていた僕は、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
――未知の世界を少し残して置くこと。
社交
あらゆる社交はおのずから
虚偽を必要とするものである。もし寸毫の
虚偽をも加えず、我我の友人知己に対する我我....
「或る女」より 著者:有島武郎
育とか、家庭の薫陶とかいう事をおりあるごとに口にしていた親佐は、その言葉に対して
虚偽という利子を払わねばならなかった。一方をもみ消すためには一方にどんと火の手を....
「二つの道」より 著者:有島武郎
あるかもしれないが、少なくとも二つの道以上のものではない。詭弁《きべん》である、
虚偽である、夢想である。世を済《すく》う術数である。
人を救う道ではない。
....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
らおうとも思わない。第四階級のために弁解し、立論し、運動する、そんなばかげきった
虚偽もできない。今後私の生活がいかように変わろうとも、私は結局在来の支配階級者の....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
官の威容をもて、 「そのほうは全く金子《きんす》を奪《と》られた覚えはないのか。
虚偽《いつわり》を申すな。たとい
虚偽をもって一時を免《のが》るるとも、天知る、地....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
、乃至絶望があるとしている人があるならば、その人の場合に於て「近代的」という事は
虚偽である。我々は、そういう人も何時かはその二重の生活を統一し、徹底しようとする....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
表するために――「自己主張の思想としての自然主義」を説くために、我々に向って一の
虚偽《きょぎ》を強要していることである。相矛盾せる両傾向の不思議なる五年間の共棲....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
っと想像がつくまい。自分が文学者であるだけに、私は他人の書いた文字の中にも真実と
虚偽とを直感するかなり鋭い能力が発達している。私は君の手紙を読んでいるうちに涙ぐ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
だ。私は弱い者の有らゆる窮策によく通じている。僅かな原因ですぐ陥った一つの小さな
虚偽の為めに、二つ三つ四つ五つと
虚偽を重ねて行かねばならぬ、その苦痛をも知ってい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
すます悪くなり、ついに恐ろしい鉄時代が来た。謙譲、忠誠、真実は地上から飛び去り、
虚偽、暴戻、背信、そして飽くことを知らぬ黄金の欲望並びに最も粗野な罪悪の数々がと....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
しと迫る。机の上の空論と屁理窟とを木葉微塵にうちくだく大いなる力がこの雪をもって
虚偽を悟れと叫んでいる。
虚偽を洗えと教えている。小池が雪の中に倒れて荘厳な雪の匂....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
大地を洗い、その不可抗の威力の前には、現在|汝等を悩ます痴愚も、不信も、罪悪も、
虚偽も皆跡方もなく一掃せられて了うであろう。 問『近代の天啓と古代の天啓とは同一....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
ことなく、要するに私にとつて、我国の政治というものは世の中で最も愚劣で、低級で、
虚偽と悪徳に満ちたものとして、いかなる意味でも興味の対象となり得なかつたのである....