虚心平気[語句情報] » 虚心平気

「虚心平気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虚心平気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
室《いま》らしく拵らえてある、初めて見た時ほど陰気な薄気味の悪い室ではない、若し虚心平気で寝たならば随分眠られようと思うけれど、余は此の夜虚心平気でないと見え熟....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かが、関守氏の腕の振いどころでなければならぬ。 しかし、お銀様としては、極めて虚心平気な答弁を以てこれを受け止めました。 「わたくしは、ドチラにもつかないつも....
月かげ」より 著者:豊島与志雄
けに関せずゲームになると ただにやにや笑っていた。人を馬鹿にしてるのか、或は全く虚心平気なのか、或は少し呆けてるのか、黙ってにやにや独り笑いをしながら、球を並べ....
好意」より 著者:豊島与志雄
どのことで、僕は美事に裏切られてしまったような気がする。八百円余った金があって、虚心平気で返しに来てくれたのなら、僕も何とも思やしない。然し、苦しい中を無理算段....
田舎者」より 著者:豊島与志雄
えず、いつものように、知的な顔に微笑を浮べて、そんなのをも迎え送るのだった。その虚心平気な態度を、岸本は感歎の念でまた見直すのだった。 ところが、或る晩、岸本....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の四十一。十四万四千の兵士に、六万の戦死者。 ワーテルローの平野は今日、人間の虚心平気な踏み台たる地面に固有の平静さを保っている、そして他の平原と何ら異なった....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
事は決定的な働きをした。 けれども、その場合マブーフ氏は、天意に代わって静かに虚心平気に仕事をなしたのである。彼は偶然にそして自ら識《し》らずしてマリユスを照....
三つの痣」より 著者:小酒井不木
ない限り、彼を罰することが出来ないのであります。死体解剖を行うとき、私はつとめて虚心平気になろうと心懸けましたが、メスを当てる時の快感を払い退けることが出来ぬと....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
でありましたから、不足なく育てあげられておりました。(間)その時の娘の心は全くの虚心平気と云うわけではござりませぬ。何んと名づけてよいか名づけようのない心持ちが....
妖怪学」より 著者:井上円了
の知覚を失せざるをもって、不覚筋動を現ずるに至るべき理なし。これ、不信仰者および虚心平気の者には、コックリの回転を現ぜざるゆえんなり。これをもって、婦人および愚....
迷信解」より 著者:井上円了
て方向を失い妄想を浮かべ、狐惑の状態に陥るは当然のことにて、毫も怪しむに及ばぬ。虚心平気、知識に長じ、思慮の深き人には、いまだかつて狐惑にかかりしを聞かぬ。また....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
失せざるをもって、不覚筋動を現ずるに至るべき理なし。これ、知力に富みたる者および虚心平気の者には、コックリの回転を見ることなきゆえんなり。婦人にても、これによく....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
、どこへ行くのも、何を遣るのも望まんです。考えれば意気地が無いものさ。これまでは虚心平気で、健全に論じていたが、一|朝生活の逆流に触るるや、直に気は挫けて落胆に....
動く絵と新しき夢幻」より 著者:小川未明
に形式的に出来上っているところの主義の為めの作物、主義の為めの批評と云うものは、虚心平気で、自己対自然の時に感じた真面目な感じとは是非区別されるものと思う。 ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
また思無邪の惨虐。 知るがごとく知らぬがごとく、鈍重で、宏量で、斧はうなずく。虚心平気とはこの事であろう。 斧はうなずく。 「則天無私。」「則天無私。」 ....