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虫の巣
「虫の巣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虫の巣の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
住んでいる。 家賃を払わないで済むかわり、まるで豚小屋同然な所で、年中蚤や南京
虫の巣になっている。 それでもまだあの狒々婆《ひひばあ》さま――彼女は顔中皺だ....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
彼は生れたときからどうしたのか、耳殻が両方ともついていない。立派な王冠の左右へ、
虫の巣のように毛もじゃもじゃな黒い穴ばかりが、ポカリと開いていた。 その様子が....
「津軽の虫の巣」より 著者:宮本百合子
に一日の過ぎることを祈ってるばかりである。ところが、いつとは無し藩中には、津軽の
虫の巣御吟味という風説が立ち始めた。 誰も出所を知る者はない。が、その噂取り沙....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
請負せねば間に合わず、一年三百六十五日、己が住居の床下にそれはそれはごたいそうな
虫の巣を拵えこんで、無慈悲の冬を囲いもしてやれば、かれらの子孫の蕃殖をもお手伝い....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《ようらん》を、一種|敬虔《けいけん》な恐怖をもってながめていた。ベナレスの寄生
虫の巣窟《そうくつ》は、バビロンの獅子《しし》の洞《ほら》にも劣らぬ幻惑を人に与....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
灯籠を売る店があったり、稲荷を祠る時の巻物をくわえた石の狐を売る店があったり、簔
虫の巣でつくった銭入れを売る店があったり、赤い硝子の軒灯に家号を入れた料理仕出屋....
「三国志」より 著者:吉川英治
棲んでおらん」 「ヘエ。そうですか」 「体熱が高いからだ。すべて低温動物ほど寄生
虫の巣だ。国にしてもそうだろう」 「へい」 「おや、鶏がいなくなった。おやじもう....