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虫干し
「虫干し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虫干しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
…?」 「おまえにいってるんじゃねえ。まだちっと季節に早いが、早手回しに知恵蔵の
虫干ししようかと、おいら、おいらに相談しているんだ。――珍念さん」 「はい。朝の....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とだッ――さ、伝六ッ。辰ッ。ちっとまた忙しくなったようだから、久方ぶりに右門流の
虫干しでも始めようぜ」 いいつつ、珍しや今宵《こよい》はすっぽりと紫覆面に姿を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ら計ってやったことであるか? 「おもしろくなりやがった。ちょうど夏場だ。知恵袋の
虫干しをやろうよ。ここまで来りゃぞうさもあるめえ。栄五郎、大西屋は本石町だっけな....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ならんことになってまいったな。よしよし、久方ぶりじゃ、知恵袋にかびがはえぬよう、
虫干しさせてやろうよ」 いいながら、そろりそろりとあごのあたりをなでなで、巨細....
「虫干し」より 著者:鷹野つぎ
うち日中《にっちゅう》でも秋の爽やかな風が通《かよ》う頃になりますと、私の家でも
虫干しが始まりました。 衣類が干される日には、私は小腰をかがめて、吊紐にかけた....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
論」) 十番雑記 昭和十二年八月三十一日、火曜日。午前は陰、午後は晴れて暑い。
虫干しながらの書庫の整理も、連日の秋暑に疲れ勝ちでとかくに捗取らない。いよいよ晦....
「家」より 著者:島崎藤村
した。額も光った。こういう癇癪の起きた時は、平常より余計に立働くのがお雪の癖で、
虫干した物を片付けるやら、黙って拭掃除をするやらした。彼女は夫や客の為に食事の用....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は奥の方でまた、箪笥《たんす》、長持、葛籠《つづら》の類を引き出して女中たちが、
虫干しでもするような騒ぎであります。 正月が近いから、それで御普請をなさるのだ....
「竜舌蘭」より 著者:寺田寅彦
ずらりと衣桁を並ベ、衣紋竹を掛けつらねて、派手なやら、地味なやらいろんな着物が、
虫干しの時のように並んでいる。白粉臭い、汗くさい変な香がこもった中で、自分は信乃....
「女の一生」より 著者:森本薫
後でけいちゃん、手があいたらお部屋まで来て頂戴。バケツと雑巾持ってね。押入れの
虫干しするんだから。 けい はい。 ふみ じゃ叔父さま又後で。精三さん。 精三 ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
い。あの着物にしかないように思われる。 六つばかりのとき父がイギリスにいて、夏
虫干しをしたら父のきていた冬着が出ました。父のにおいがする。お父様の匂いがする。....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ですって。(一高時代のこと) おじいさんは、孫娘が、こうして北海道志まで計らぬ
虫干しをして眺めたりすることのあるのを予想したでしょうか。札幌鉄道局の地図をみる....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
か、あちこちボッコリと毟り取ったように毛が抜けて、見るかげもなかった。 毎度、
虫干しの季節になると、ぎんはこの三畳間に細引を張って、持物に風を通すことを忘れな....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
昭和十二年八月三十一日、火曜日。午前は陰、午後は晴れて暑い。
虫干しながらの書庫の整理も、連日の秋暑に疲れ勝ちでとかくに捗取らない。いよいよ晦....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
なかにいちはつがちらほら咲いていた。庭に面した客座敷から、狭い縁側へかけて土用の
虫干しをするため、一ぱい書物が並べられてあった。客座敷の隣になっている馬翁の書斎....