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虫歯
「虫歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虫歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
痛くなればいいと思ったり、頭痛がすればいいと思ったりしたけれども、その日に限って
虫歯一本痛みもしないのです。仕方なしにいやいやながら家《いえ》は出ましたが、ぶら....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
ues)というものについて述べる。これは雪が深く、岩壁に喰い入って、そこだけを、
虫歯の洞のように、深く刳《えぐ》るので、刳られた崖が、椀を半分欠いたようになって....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
ながら、遅くまで御庭の内を御歩きなさることも有ました。 秋のはじめから、奥様は
虫歯の御煩《おわずらい》で時々|酷《ひど》い御苦痛《おくるしみ》をなさいましたの....
「わが町」より 著者:織田作之助
。――それから、歯抜きの辰いう歯医者に会うたら、忘れんと二円返しといてや。わいが
虫歯抜いてもろた時の借りやさかい、他あやんがよろしゅう申してました言うて、二円渡....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いかがじゃな」 「………!」 「何と召さった。大分歯ぎしりをお噛みのようじゃが、
虫歯ならば沼田正守医道の心得がおじゃるゆえ、ことのついでに癒して進ぜましょうかな....
「きりぎりす」より 著者:太宰治
あなたは、何だか、おしゃれになりました。まず、歯医者へ通いはじめました。あなたは
虫歯が多くて、お笑いになると、まるでおじいさんのように見えましたが、けれどもあな....
「猿ヶ島」より 著者:太宰治
台にいるときよりも素面でいるときのほうが芝居の上手な婆で、おおお、またおれの奥の
虫歯がいたんで来た。あれは地主と言って、自分もまた労働しているとしじゅう弁明ばか....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
の背後の二すじの連山には、茅ばかりが、かさ/\と生い茂って、昔の巨大な松の樹は、
虫歯のように立ったまゝ点々と朽ちていた。 灰色の空が、その上から低く、陰鬱に蔽....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
形に分裂し、背は庖刀の如く薄く、岩と岩とは鋭く截ち割られて、しかも手をかけると、
虫歯の洞のようにポロポロと欠けるので、石とも土ともつかなくなっている、手をかけて....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
のが金でも米でもない。施与には違いなけれど、変な事には「お禁厭をして遣わされい。
虫歯が疚いて堪え難いでな。」と、成程左の頬がぷくりとうだばれたのを、堪難い状に掌....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
た。私は冷りとした。そして無理に歯医者へ通わした。 歯医者の言葉に依れば、その
虫歯は可なりひどくなってるので、セメンをつめ金を被せるのには、二週間余りかかると....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
天の御堂、弁財天の祠には名木の紅梅の枝垂れつつ咲くのがある。明星の丘の毘沙門天。
虫歯封じに箸を供うる辻の坂の地蔵菩薩。時雨の如意輪観世音。笠守の神。日中も梟が鳴....
「妖怪学」より 著者:井上円了
の一点にあり。しかるに、毛虫を抜きて病気を療する法は、ひとり小児の疳病に限らず、
虫歯を治するにこの法を用うるものあり、また、諸病を医するに、この法を唱うるものあ....
「迷信解」より 著者:井上円了
の一例として、余が聞きたる話を紹介するに、「ある寺の住職にて、呪文を唱えて小児の
虫歯を治するものあり。ある日その寺に大法会ありて、隣村の老婆も参詣せしに、住職の....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
お地蔵様の頭の上に載せるのである。御厩河岸《おうまやがし》の榧寺《かやでら》には
虫歯に効験《しるし》のある飴嘗《あめなめ》地蔵があり、金竜山《きんりゅうざん》の....