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「虫気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虫気の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
。生れた子供も男で伊之助のいの字とお若のわの字を取って岩次《いわじ》と名をつけ、虫気《むしけ》もなくておい/\成長してまいるが、子供ながら誠に孝心が深いので夫婦....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
から、是より千住へ参って一晩泊り、翌日早々下総へ帰る。新吉の顔を見ると女房お累が虫気付《むしけづ》きまして、オギャア/\と産落したは男の子でございます。此の子が....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
二時頃になって氏郷陣へ使者をよこした。其の言には、政宗今日夕刻より俄《にわか》に虫気《むしけ》に罷《まか》り在り、何とも迷惑いたし居り候、明日の御働き相延ばされ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「はいはい」 「これが駒井の殿様のたった一人の御血統なんでございます、この通り虫気もなく、すこやかにお育て申しておりますから、殿様にそれを申し上げて下さいまし....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
江戸へ帰ッてから、ほどなく古河へ嫁入りしたが、間もなく身重になり、その翌年の秋|虫気づいて、玉のような男子を産み落したが、無残や、産後の日だちが悪く、十九歳を一....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
まれたのである。 「今日はちょッと難題をたのみますがな。今やわが社におきましては虫気のつかない困った人物がおりまして、ええッと、彼はなんと云ったッけな。ア、そう....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のしがいがあった、然るべき旦那をもたせて老後を安楽に暮しましょうと、せいぜい娘に虫気のつかないように油断なく気をくばっていた。けれども親が案ずるほど虫気がつくの....
妖怪学」より 著者:井上円了
の手をひらき見れば、その爪甲より毛ようのごとき白繊維のもの続々出ずるなり。これ、虫気の小児にありてしかるなりという。(下略) 以上はマジナイ療法とでも名づくべ....
上海」より 著者:横光利一
瞼毛の影にうるみを湛えた黒い眼や、かっちり緊った足や腕などは、忘れられた岩陰で、虫気もなくひとり成長していた若芽のように感じられた。 ――しかし、待てよ、あの....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たり、またしばしば武蔵の名が謳われた。 そのうちに、黙って聞いているに堪えない虫気が起ったのであろう、佐々木小次郎は、石切たちの方へ向って、 「これ、職人ども....
山の人生」より 著者:柳田国男
する。四歳の春に弟が生まれて、自然に母の愛情注意も元ほどでなく、その上にいわゆる虫気があって機嫌の悪い子供であったらしい。その年の秋のかかりではなかったかと思う....