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虫螻
「虫螻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虫螻の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
た地の奥を想う。 縦横に行き違っている太い、細い、樹々の根の網の間には、無数の
虫螻《むしけら》が、或は暖く蟄し、或はそろそろと彼等の殻を脱ぎかけ、落積った枯葉....
「白くれない」より 著者:夢野久作
戸の公方、京都の禁裡の千金の御命を救ひ参らせむ為に、年々|相調へて献上仕るもの。
虫螻と等しき下賤の者の生命を以て、高貴の御命を延ばし参ゐらせむ事、決して不忠の道....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
畳の摺剥けたのがじめじめと、蒸れ湿ったその斑が、陰と明るみに、黄色に鼠に、雑多の
虫螻の湧いて出た形に見える。葉鉄落しの灰の濡れた箱火鉢の縁に、じりじりと燃える陰....
「病室の幻影」より 著者:豊島与志雄
た、これから十分に死ぬのだ、というだけで沢山ではないか。 B――そんな考え方は
虫螻の考え方なのだ。存在というものだけを知って、生活というものを知らないのだ。 ....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
出来る場合には出来るだけ威張りたがるの性質を有しているものである。ことに武士から
虫螻蛄の如くに扱われていた町人・百姓等は、さらにそれをエタに向かって転嫁する。社....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
るだけは活きて行かねばなりません。ここにおいてか階級意識の盛んな時代に、武士から
虫螻の如く扱われた百姓、町人らは、それをよいことにして彼らの上に威張り散らします....