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虫食い
「虫食い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虫食いの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
め、『土百姓《どびゃくしょう》めが、大胆《だいたん》にも□□□□□□□□□□□(
虫食いのために読み難し)とて伝三を足蹴《あしげ》にかけければ、不敵の伝三腹を据《....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》しかったから、次の日山へ行った帰りに、椿の葉を何枚も拾って来てやった。その葉の
虫食いを続けて読めば、帰雁二どころの騒《さわ》ぎではない。『明日帰洛《みょうにち....
「兄たち」より 著者:太宰治
る二、三年まえから、もう寝たり起きたりでありました。結核菌が、からだのあちこちを
虫食いはじめていたのでした。それでも、ずいぶん元気で、田舎にもあまり帰りたがらず....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
に取出されて流行し、娘たちはハイカラ髷《まげ》という洋髪を結《ゆ》っている時代で
虫食いの図書遺品を漁《あさ》るというのはよくよく向きの変った青年に違いなかった。....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
5 馬車は間もなく市街地に入った。柾葺屋根《まさぶきやね》の家が
虫食い歯のように空地を置いて、六間(約一〇・八メートル)道路の両側に十二、三軒ほ....
「相撲」より 著者:寺田寅彦
に関する記事をしばしば見かけるようであるが、しかしそれはたいていいつもお定まりの
虫食い本を通して見た縁起沿革ばかりでどこまでがほんとうでどこからがうそかわからな....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ころに達したらしく、糊と紙のあいだにいつのまにか虫がわいたとみえて、模様のような
虫食いの跡が見えてきた。それと同時に、息づまるような三人の力の入れ方もいっそうせ....
「顔」より 著者:宮本百合子
る》くして枝を離すと、彼が余り早く手離したと云って怒った。怒りながらふきだした。
虫食いの不具な果でもつかむと、彼女達は、 「いやなフランツ! 虫っくい」 と、彼....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
薄な理想主義の芸術はまさにしんこ細工の花のようなものである。しかしそうかと言って
虫食いや黴菌のために変色した葉ばかりを強調した表現主義にも困る、ドイツあたりの近....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
セールを肩にして勇んで歩いた。 校門をくぐると、校庭の蔓薔薇《つるばら》などは
虫食いだらけの裸になってしまって、木という木はおおかた葉を振り落していた。 ピ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
覧になるでしょう。若しどうでもしなければならなければ、二枚続き一枚だけはいつかの
虫食いを入れて下げて頂き、やりくりつくかも知れません。全くこれからの毛布洗いは苦....
「火の扉」より 著者:岸田国士
から、動きまわりたくない。たゞ、一度、今までのさばつていたものをたゝきのめして、
虫食い材料を遠くへ運びだすことは必要だと思うんです。こりやあまあ、だれにだつて出....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
に、衣紋づくろいして、高時の横へすすみかけると、高時は見て、敏感に、 「こらっ、
虫食い瓜、まだ帰ってはならん。宴はいつも、二|更三更(夜半)に及ぶのが慣い、なぜ....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
いはじめたのである。 犬はこの芝生を以て自分のサロンと心得ている。しかも敷物の
虫食いを少しも気にしない。そこでいよいよむく鳥が来ぬと決すれば、別に何かその労に....