虻蜂[語句情報] » 虻蜂

「虻蜂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虻蜂の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
水をかぶっている坊主頭、竹の手桶《ておけ》と焼き物の金魚とで、余念なく遊んでいる虻蜂蜻蛉《あぶはちとんぼ》、――狭い流しにはそういう種々雑多な人間がいずれも濡れ....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
我と気がついてまだ遠くは往《ゆ》くまい、折角見かけた仕事も玉を逃《にが》しちゃア虻蜂《あぶはち》とらずで汽車賃の出どこがないと、己《おの》が勝手で尾《つ》いて来....
組合旗を折る」より 著者:永崎貢
気の際に、手当は充分出すと言うのだから、下手にまごつくと諸君の首も危い。それでは虻蜂取らずだ。この場合、涙をのんでストライキは思い止る方が諸君の為だ。」 出鼻....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
初の方針を破ってしまうのだが、そこで方針をかえるということは、結局今までの犠牲が虻蜂とらずに終るばかりでなく、かえって信用をおとす結果となる。だからよいと信じて....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
廻り先へ出ようと考えた。しかしその間に烏の行方が見失われたらどうしよう。それこそ虻蜂捕らずである。 「勇気、勇気、勇気が大事だ! 冒険、冒険! 冒険に限る! 構....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
だし厳重に蓋が冠せてあって、取ろうとしてもなかなか取れない。 「つまらねえなあ。虻蜂とらずだ」 小言を云いながら振って見たが、中には何にも入っていないと見え、....
うむどん」より 著者:佐藤垢石
らで、ここでお前たちが大口あいてうどんや麺包を食べると、やはり日本の食料が減って虻蜂とらずになるから、いままで通り七分|搗きばかり食べたらどうだい、といましめて....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
いは放浪のユダヤ人と化して、故山を後にせねばならないのか、と。 *22虻蜂《あぶはち》とらず。――外国文字を国語で発音した上古の日本人よりも、さらに数....
五重塔」より 著者:幸田露伴
人様にも恥かしく第一源太がせっかく磨いた侠気もそこで廃ってしまうし、汝はもとより虻蜂取らず、知恵のないにもほどのあるもの、そしては二人が何よかろう、さあそれゆえ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
当てないで、尋ねもしないお綱から口約束を取られた上に、窓を閉められてしまっては、虻蜂とらずな訳である。 「オット!」と、あわてて背伸びをした。 「こう、お綱さん....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ようございますからね。ですが、わっしは追目の賽で、この目がポンと出てくれないと、虻蜂とらずの骨折り損、ない身代をつぶしますよ。ひとつ、宅助を哀れと思って、なんと....
魚紋」より 著者:吉川英治
のなら取ってみろ』 『一割もくれというなら、手伝わせてもやろうが、さもなけれや、虻蜂とらずになるぜ。はははは、どれ、階下へ行って、面でも洗おうか』 二階の荒っ....