蚊の鳴くような声[語句情報] » 蚊の鳴くような声

「蚊の鳴くような声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蚊の鳴くような声の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魔都」より 著者:久生十蘭
それとも同情といったようなものですか」 花は羞しそうにチラと上眼を走らせると、蚊の鳴くような声で、 「王様は、いつか、あたしのことを、お鶴さんに、可愛いい娘だ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の三白眼で、じろりと花世の顔を睨《ね》めあげ、 「馬鹿め、汗が、なんだ」 と、蚊の鳴くような声で叱りつけた。 よせばいいのに老人《としより》の冷水《ひやみず....
夜光虫」より 著者:織田作之助
………」 「下手くそやぞ、お前らの掏り方は……」 「今夜はじめてだす」 次郎は蚊の鳴くような声を出して、 「――かんにんしとくなはれ、大将」 と、ぺこんと頭....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
さんの顔を見つめている。 ……それは、いまいったばかりだ。 キャラコさんは、蚊の鳴くような声で、つぶやいた。 「……あたし、ここにいたいのですけど」 対等....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
を気にするものですか。面白いから、行って見ていらっしゃいよ」 キャラコさんが、蚊の鳴くような声で、いう。 「今でなくては、いけませんの」 マジマジと、キャラ....
幽霊」より 著者:小野佐世男
いたが夢でも幻でもなかった。生きた生首だった。どす黒い口許から白い歯が震え、何か蚊の鳴くような声が洩れている。顔面の皮膚は渋茶で、びっしょり雫を垂れた髪が、一す....