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蚊絣
「蚊絣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蚊絣の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
》と云う。 高柳君は床《とこ》のなかから這《は》い出した。瓦斯糸《ガスいと》の
蚊絣《かがすり》の綿入の上から黒木綿《くろもめん》の羽織を着る。机に向う。やっぱ....
「過渡人」より 著者:豊島与志雄
そうに椅子に掛けた笹尾の姿を、矢島さんはじっと眺めた。もう水を通ったらしい紡績の
蚊絣を着て、頭髪を長く伸している。丁嚀に剃られた頬の辺りには窶れた影が見えていた....
「未来の天才」より 著者:豊島与志雄
響いた。私はただ、焦茶の地に鼠色の格子がはいってる座布団と、痩せた膝をくるんでる
蚊絣の着物とだけを見た。 暫く重苦しい沈黙が続いた。 「実は、あなたが下すった....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
艦が高速試験でもしているように走りまわり、空の高いところにはP51のパトロールが
蚊絣《かがすり》のように飛んでいる。〈眼に痛い光景〉とはこのことだ。戦争に負けた....