蚕室[語句情報] » 蚕室

「蚕室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蚕室の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
みた日には、余《あんま》り大きな顔をして表を歩けた義理でもないじゃないか」 養蚕室にあてた例の薄暗い八畳で、給桑《きゅうそう》に働いていたお島は、甲高《かんだ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
四郎の居間付近について、やや図解的な記述が必要であると思う。その寝間というのは、蚕室の土間の階段を上った右側にあって、前の廊下には、雨戸の上が横に開閉する、桟窓....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
流るゝ品川堀と云う玉川浄水の小さな分派に沿うて居た。村会議員も勤むる家で、会場は蚕室の階下であった。千歳村でも戸毎に蚕は飼いながら、蚕室を有つ家は指を屈する程し....
李陵」より 著者:中島敦
そうした数年ののち、突然、この禍《わざわい》が降《くだ》ったのである。 薄暗い蚕室《さんしつ》の中で――腐刑《ふけい》施術後当分の間は風に当たることを避けねば....
旅愁」より 著者:横光利一
制しながら、 「黙って、黙って。」 と、何ぜだかそう云いたくなった。半ば閉った蚕室の雨戸に日が射していて、桐の花が高い梢の頂きで孤独な少い筒を立てていた。明る....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
う役をこしらえて領内の諸方に出張させ、夏場になると、役所の部屋も、座敷も、みんな蚕室になってしまうのじゃ。竹刀《しない》だこのある手で桑の葉を刻み、巻藁《まきわ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
いて年中の鼠害を防いだごとく、日本でも蓍に小松を添えて帚と為《な》し、初子の日に蚕室を掃除し初むる行事が宮廷に及ぼして子の日の御宴に玉帚を賜うて一盃やらかしたも....
自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
、とくに夏秋蚕についてでありますが、それが飼いよいこと、もちろん、その折角の風を蚕室に入れるように工夫しなくてはだめでありますが、それだけでなく、あの恐ろしい※....