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「蚕棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蚕棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
に手もやせ細ってる姉は、無い力を出して、ざくりざくり桑を大切りに切ってる。薄暗い蚕棚の側で、なつかしい人なだけあわれはわけても深い。表半分雨戸をしめ家の中は乱雑....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
堂と真向いの家はもう起きていた。家の軒には桑籠がたくさん積まれて、若い女房が蚕棚の前に襷がけで働いていた。若い娘は何を祈っているのか知らない。若い人妻は生活....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
では一度も飼ったことが無いが、それが不思議に聞える位だ。こういう土地だから、暗い蚕棚と、襲うような臭気と、蚕の睡眠と、桑の出来不出来と、ある時は殆んど徹夜で働い....
幽霊と推進機」より 著者:夢野久作
の奴隷を積んだ寝床の取り崩し残りを、荒板で無造作に囲んだものであった。その真暗な蚕棚式の寝床の間を、突き当りまで行った処で、ランタンの赤い光りが停止している。そ....
海豹島」より 著者:久生十蘭
ので薄暗く、もののかたちが朧気によろめいている。左右の板壁によせて、二段になった蚕棚式の木の寝台が八つほど造り附けになり、はるか奥の突当りに裏口の扉が見える。そ....
磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
堂と真向いの家はもう起きていた。家の軒下には桑籠が沢山に積まれて、若い女房が蚕棚の前に襷掛けで働いていた。若い娘は何を祈っているのか知らない。若い人妻は生活....
木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
行者の一人の太田君は自分の教え子だと言ってその子の家へ立寄った。家の中は一ぱいに蚕棚が立てられていて、人のいる場所もない位。おとずれると、太い大黒柱の黒く光って....