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蚤
「蚤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蚤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
、誰も鼻の話とは気がつかないだろうと思ったからである。鼻は熱湯に蒸《む》されて、
蚤《のみ》の食ったようにむず痒《がゆ》い。
弟子の僧は、内供が折敷の穴から鼻を....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
の色を隔てている。小二《しょうじ》の心にはその足を見た時の記憶が夢の中で食われた
蚤のように、ぼんやり遠い悲しさを運んで来た。もう一度あの足にさわる事が出来たなら....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
まま、傲然《ごうぜん》とこう独《ひと》り語《ごと》を言った。――「ナポレオンでも
蚤《のみ》に食われた時は痒《かゆ》いと思ったのに違いないのだ。」
或左傾....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
い支那人のやつは怪《け》しからぬ脚をくつけたものである。俺《おれ》の脚は両方とも
蚤《のみ》の巣窟《そうくつ》と言っても好《い》い。俺は今日も事務を執《と》りなが....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
文字を露した大形の名刺の芬と薫るのを、疾く用意をしていたらしい、ひょいと抓んで、
蚤いこと、お妙の袖摺れに出そうとするのを、拙い! と目で留め、教頭は髯で制して、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
を見付けたと信じるから、ここで簡単にそれを述べようと思う。』 当時の宗教裁判は
蚤取眼で新思想や学説が正統の教理と撞着する点を捜し出そうとしていたから、その危険....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
学校同級生)、吉岡専造君。 一月四日 ◯初仕事に懸る。大日本画劇の紙芝居脚本『
蚤の探偵』十二景。 ◯朝、湯殿で洗面のとき咳をして腰の筋をちがえ痛くてやり切れな....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
はどうだ。出した祝儀に、利息を取るよりけちな男だ。君、可愛い女と一所に居る時は、
蚤が一つ余計に女にたかっても、ああ、おれの身をかわりに吸え、可哀想だと思うが情だ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
そ。雨の雫の、糸のごとく乱れかかるのは、我が身体ばかりで、明の床には、夜をあさる
蚤も居らぬ。 南無三宝、魔物の唾じゃ。 三十九 例の、その幻の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
肌脱ぎに引きかなぐり、松源の池が横町にあるあたりで威勢よく、ただし、竜どころか、
蚤の刺青もなしに放り出した。後悔をしても追附かない。で、弦光のひとり寝の、浴衣を....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
を見る憂慮もあるまいから。」 「そりゃ不可えだ。何でも、は、お前様に気を着けて、
蚤にもささせるなという、おっしゃりつけだアもの。眼を潰すなんてあてごともない。飛....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
よ。ね、お前さん、厭な姿は、蛇が自分でも可い心持じゃあなかろうではないか。蚊でも
蚤でも食ったのが、ぶつぶつ一面に並んでみな、自分の体でも打棄りたいやな。私ゃこう....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
へ患者を仰臥かせて、内の国手が聴診器を当てようという、寝台の上。ますます妙なのは
蚤の憂更になし。 地方と言っても、さまで辺鄙な処ではないから、望めばある、寝台....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
き頃はさてありしも、六七月となりては西洋|擬いの外見煉瓦蒸暑きこと言わん方なく、
蚤の多きことさながらに足へ植えたるごとし。呉牛の喘ぎ苦しく胡馬の嘶きを願えども甲....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
は少しきたないのですが、 小便のしげきは日和、飲水の はらに保つを雨と知るへし
蚤や蚊の極めてしげく食ふならば 雨のあがりと雨気つくころ 香の火の何より早く立....