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「蛆虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蛆虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
子《たね》をまいたのは葉子自身なのだ。そう思うと葉子は自分の心と肉体とがさながら蛆虫《うじむし》のようにきたなく見えた。……何のために今まであってないような妄執....
婦系図」より 著者:泉鏡花
と声が消えて、小芳は紋着の袖そのまま、眉も残さず面を蔽う。 「いや、愛想の尽きた蛆虫め、往生際の悪い丁稚だ。そんな、しみったれた奴は盗賊だって風上にも置きやしな....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
がった。一旦この気持をつかむと、不意に、懐中電燈を差しつけられたように、自分達の蛆虫そのままの生活がアリアリと見えてきた。 「威張んな、この野郎」この言葉が皆の....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
たが、精神的の苦痛となると実に無限であった。私は死に関することばかりを考えた。「蛆虫と、墓と、碑銘」のことを口にした。死の幻想に夢中になって、早すぎる埋葬という....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
うものの顧みればわれらの主観のいかに空疎に外界のいかに雑駁なるよ。この中に処して蛆虫のごとく喘ぎも掻くのがわれらである。これをしも悲痛と言おう。されどされど悲痛....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
下にいるのであった。気味の悪さは形容も出来ない。湿気は体を融かそうとした。身内を蛆虫が這うようであった。一寸も動くことが出来なかった。もし体を動かしたら、竹筒の....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
のトンチキ野郎奴。鼻っぴの、おでこの、ガニ股の、ブーブー野郎の、デクノ棒野郎の、蛆虫野郎の、飴玉野郎の、――ソノ大間抜け、口惜しかったらここまでやってこい。甘酒....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
拭が、」 と言いかけてしばらく黙った。 今年より卯月八日は吉日よ 尾長蛆虫成敗ぞする 「ここに倒にはってあるのは、これは誰方がお書きなすった、」 「…....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
こに留まることを欲しない。お前は人生に疲労と嫌悪とを吹き込むものだ。お前は田畑の蛆虫のように、歓喜に満ちた穂をいぶかしそうに見詰めながら、絶望と苦悩のよだれを垂....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
て崩れるかを私は見た。生の花やかな頬を襲う死の腐敗を見た。眼と脳髄のすばらしさを蛆虫の類がかたずけてしまうありさまも見た。生から死へ、死から生への変化に例証され....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
人格を持った人間であるが、車掌にどなりつけられ、足を踏みつけられ、背中を押され、蛆虫のようにひしめき合い、自分が何某という独立の人格を持った人間であることを忘れ....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
りの呼び方で呼びやがった。「おい、屑!」「おい、蠅!」「おい、南京虫!」「おい、蛆虫!」「おい、しらみ!」「おい、百足!」「おい、豚!」――何をぬかしやがるんや....
蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
れ。おれのような強い者になって、弱いものを救うのが自然の順序だ。弱い奴等ばかりが蛆虫のようにあつまって、口のさきで慈悲の情けのと騒いでいるばかりでは、いつまでた....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
けになっているのは―― ――「ベッ、此奴等、血のついた屑切なんか取散らかして、蛆虫め。――この霊地をどうする。」 自動車の助手に、松の枝を折らせ、掃立てさせ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ファウスト 狗奴。胸の悪い、獣にも劣った獣奴。○ああ。無辺際なる精霊。この蛆虫を再び本の狗の形に戻してくれぬか。こないだまで夜になると、自分の好きで狗にな....