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蛋白石
「蛋白石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛋白石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
みつつ、ただ空に引く一抹《いちまつ》の淡き線となる。線は切れる。切れて点となる。
蛋白石《とんぼだま》の空のなかに円《まる》き柱が、ここ、かしこと立つ。ついには最....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
、狡く瞼も引下げ、悪口でスーラーブに阿諛《あゆ》した。シャラフシャーに、珍らしい
蛋白石を手渡していたスーラーブは、その言葉で、俄に心が眼醒めたようになった。彼は....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
つけないような心持になりました。 天鵝絨《ビロード》のように生えた青草の上に、
蛋白石《オパール》の台を置いて、腰をかけた、一人の乙女を囲んで、薔薇や鬱金香《チ....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
メラルド》が三百十個、これはみなきわめて美しい。青玉《サファイア》が二十一個と、
蛋白石《オパール》が一個。それらの宝石はすべてその台からはずして、箱のなかにばら....
「虹の絵の具皿」より 著者:宮沢賢治
霧《きり》がかかると、銀《ぎん》の鏡《かがみ》のようだね」 「はい、また、大きな
蛋白石《たんぱくせき》の盤《ばん》のようでございます」 「うん。そうだね。僕《ぼ....
「田舎風なヒューモレスク」より 著者:宮本百合子
を一枚一枚キラキラ強い金色にひらめかせながら西の山かげに太陽が沈みかけると、軽い
蛋白石《オパール》色の東空に、白いほんのりした夕月がうかみ出す、本当に空にかかる....
「浪漫趣味者として」より 著者:渡辺温
『指環が万事物を云うのです。』 『せいぜい立派なのを買ってお上げなさい。』 『
蛋白石と云うのですが、僕には宝石の鑑定などは少しも出来ないのでしてね。』 『造作....
「悲しめる心」より 著者:宮本百合子
来るかもしれない。けれ共そうある事を希って居るのではない、私は今の此の力に満ちた
蛋白石の様な心の輝きが失せて「死」の力も「生の力」の偉大さをも感じないほど疲れた....
「葦笛(一幕)」より 著者:宮本百合子
あございませんですから―― ペーン まっしろな銀で作った白孔雀の様な――夜光球や
蛋白石でかざった置物の様な――私はそう思って居るのだよ。 お前の御主のダイアナ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
石榴石から花が咲いて、その花の芯は茴香色で、そうして花弁は瑪瑙色で、でもその茎は
蛋白石の、寂しい色をして居ります。そういう花も見られましょう。……そこは異国でご....
「日記」より 著者:宮本百合子
五月十一日(月曜) 〔摘要〕欠席 五月十二日(火曜) 〔摘要〕欠席 「
蛋白石」の稿を起す。 書き出すとすぐ紙がない。 買う事も思う様には出来ないの....
「蛙のゴム靴」より 著者:宮沢賢治
まっしろなプクプクした、玉髄《ぎょくずい》のような、玉あられのような、又《また》
蛋白石《たんぱくせき》を刻んでこさえた葡萄《ぶどう》の置物のような雲の峯は、誰《....
「楢ノ木大学士の野宿」より 著者:宮沢賢治
の火|兄弟《けいてい》商会」の、 赤鼻の支配人がやって来た。 「先生、ごく上等の
蛋白石《たんぱくせき》の注文があるのですがどうでしょう、お探しをねがえませんでし....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
の沖をめがけます。日は音なく昇り、音なく沈み、星と露とは常に白く冷やかにちょうど
蛋白石のように輝きます。湖水の岸には橄欖の林あり、瑠璃鳥はその枝に囀る。林の奥に....
「台川」より 著者:宮沢賢治
あるある。これが裂罅《れっか》を温泉《おんせん》の通った証拠《しょうこ》だ。玻璃
蛋白石《はりたんぱくせき》の脈《みゃく》だ。 〔ここをごらんなさい。岩のさけ目に....