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蛍の光
「蛍の光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛍の光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「逆行」より 著者:太宰治
るだけであったのである。音楽隊は、村のはずれに出てしまってもあゆみをとめないで、
蛍の光の曲をくりかえしくりかえし奏しながら菜の花畠のあいだをねってあるいて、それ....
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
。その、はきだめの瓜の花一輪を、強く、大事に、育てて行こうと思いました。 ほ、
蛍の光、窓の雪。 清窓浄机、われこそ秀才と、書物ひらいて端座しても、ああ、その....
「髪切虫」より 著者:夢野久作
くデリケートな超短波の宇宙線に変化しながら、やっと引返して来たイーサーの霊動が、
蛍の光のように青臭く、淋しく、シンシンと髪切虫の触角に感じて来るのであった。 ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
、お浜といえば砂さえ、敷妙の一粒種。日あたりの納戸に据えた枕蚊帳の蒼き中に、昼の
蛍の光なく、すやすやと寐入っているが、可愛らしさは四辺にこぼれた、畳も、縁も、手....
「河明り」より 著者:岡本かの子
蛍の火が一すじ椰子の並木の中から流れてきた。娘は手に持っていた団扇をさし上げた。
蛍の光はそれにちょっと絡わったが、低く外れて海の上を渡り、また高く上って、星影に....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
まんまに、美術学校のバンドを締めさせられて、学校の教壇みたような処へ立たされて『
蛍の光』を日本語で歌わせられたの……そうして三分ばかりして歌が済んじゃったら監督....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
。オルガンやヴヮイオリンは学校の道具であって、音楽学校の養成する音楽者というは『
蛍の光』をオルガンで弾く事を知ってる人であった。音楽会を開いて招待しても嘆願して....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
粉に砕けようと、八裂にされようと、恋しい人を血に染めて、燃えあこがるる魂は、幽な
蛍の光となっても、剣ヶ峰へ飛ばいでおこうか。 と晃然とかざす鉄杖輝く……時に、月....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い、前半の一文字笠が、その瞬間、紗《うすもの》のように透きとおって、面《かお》が
蛍の光のように蒼白《あおじろ》く夜の色を破って透いて見えるのです。さては思いなし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
棄《やけ》にコジりました。 その時に、眠っていたようなムク犬の眼が、俄然として
蛍の光のように輝きました。それと共に、いま自分の顋の下へ自棄に突っ込んでコジ上げ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、決して日の光を一帯にかぶっているわけではない、日の光とは全く違った、たとえば
蛍の光を鮮紅にしたように、光は光に相違ないが、それは熱のない光である。つまり、月....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
せん。 伸上る背戸に、柳が霞んで、ここにも細流に山吹の影の映るのが、絵に描いた
蛍の光を幻に見るようでありました。 夢にばかり、現にばかり、十幾年。 不思議....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
云うよりもむしろ一個の別天地であった。丘もあれば林もあり人家もあれば小川もある。
蛍の光か月光か、蒼澄んだ仄かな微光が、茫然と別天地を照らしているが何んの光だか解....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
ざいます。おめでとうございます」 そういってお辞儀をしたが、満寿子さんは口から
蛍の光のような青白い息をだしてだまっているので、ばあやは気がついて、大いそぎで卵....
「ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
……」 とお追従笑いをされまして、新しく、煙管を吸いつけられました。その火が、
蛍の光の様に――しかし、どす黒く赤く――薄暗くなった奥の部屋で、消えてはつき、つ....