蛍光[語句情報] » 蛍光

「蛍光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蛍光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
《もっ》てこの一篇の評語とすることが出来ると思います。ほのかにもあわれなる真実の蛍光を発するを喜びます。恐らく真実というものは、こういう風にしか語れないものでし....
富士」より 著者:岡本かの子
つき》の衣は、鶴の羽づくろいしながら泉を渡るに似て爽かにも厳《おごそ》かである。蛍光のような幽美な光りが女神の身体から照り放たれ、その光りの輪廓は女神の身体が進....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
意見に到達した(一八一一年)。彼の観測した星雲の中に極めて漠然とした緑色がかった蛍光様の光を放つものがあった、これが原始状態であると彼は考えた。そうしてスペクト....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ようでした。暗室の内では、鉛の前垂をしめた赤星探偵が、大きな石盤のような形をした蛍光板を目の高さにさしあげ、壁とすれすれにそれを上下に動かしています。探偵の夜光....
少年探偵長」より 著者:海野十三
に透すが、黄金は透さない。だから、中にある黄金三日月が、かげになって、ありありと蛍光板の上にあらわれる。どうです。いい方法でしょうがな」 と、机博士はうしろか....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
けれど、検波計《けんはけい》のブラウン管で見ると、脳波の出力《しゅつりょく》が、蛍光板《けいこうばん》の上に明るいあとをひいてとびまわっているのが見えた。 隆....
火星探険」より 著者:海野十三
舷のようなものもうつっていたが、これは本艇の一部であると分った。この写真は美しい蛍光を放って、画面はむしろ明るかった。そしてこの写真はなおよく見ると、それが少し....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
はチョークを使わなかった。前に通ったときに春部がつけた夜光チョークの痕が、うすく蛍光を放って続いていた。春部にはなんだかそれがたいへんいじらしく見え、はからずも....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
じゃないか」 「そうですかねえ。なぜですか、それは……」 「なぜって、あの旗も、蛍光を放っているじゃないか。怪物の身体も、あのとおり、蛍光を放っている。だから、....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
た。それから机の下をさぐっていたが押し釦の一つをぷつんと押した。すると紙がぱっと蛍光色を呈して光りだした。空白の紙上にはありありと図面が浮び上る。 「共軛回転弾....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
えてしまった。外は、夜のように暗い黒雲の渦だ。室内はくらくなった。ただその中に、蛍光色の計器の表だけがぴかりぴかりと光る。 「あ、たいへんなときに停電だ」 「こ....
○○獣」より 著者:海野十三
こまれた。室内は直ちに暗室にされた。ジイジイとX線が器械から放射され、うつくしい蛍光が輝きだした。 「ああ、見えるぞ」 博士は叫んだ。蛍光板の中にぼんやりと二....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
て、前途に塞るとも覚しきに、慾にも一歩を移し得で、あわれ立竦になりける時、二点の蛍光|此方を見向き、一喝して、「何者ぞ。」掉冠れる蝦蟇法師の杖の下に老媼は阿呀と....
暗夜の格闘」より 著者:小酒井不木
リウムの盤をあてて見るのです。 シアン化白金バリウムは、レントゲン線にあたると蛍光を発します。レントゲン線は衣服や筋肉は通過しやすいですが、金属や骨は通過しに....
紫外線」より 著者:小酒井不木
置いて照らしましたが、不思議にも白い文字とは無関係に、前記の「本郷云々」の文字が蛍光を発してあらわれました。 「これは、この黒い紙に、アニリン色素で書いたもので....