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「蛍草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蛍草の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
ませんよ。見ていると感心に花を毎日とりかえます。きのうはダリヤでした。おとといは蛍草でした。いや、アマリリスだったかな。コスモスだったかしら。」 この手だ。こ....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
。梢から射していた月光が、円い巨大な柱のように、あやめと主税との二人の体の上へ、蛍草の色に降りて来ていた。その明るい光の輪の中では、産れて間もないらしい細い羽虫....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
き着くことは思いも寄らなかったろう。 無言でしばらくガサゴソと、熊笹を分ける。蛍草や竜胆風の花が、熊笹のあちらこちらに見える。野生の石楠花が処々に咲いている。....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
だした。 お綱がいる! すぐ十間ばかりの向うの所に。 そこには、いッぱいな、蛍草が咲いていた。お綱は、後ろから、お十夜が近づいてくるとは知らずに、藍をこぼし....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
いえ、武庫川まで」 と、お仙は、いつまでも振分を渡したくないように抱えこんで、蛍草の咲く道をふんでいた。 「おこころざしは有難えが、そいつは、かえって名残がま....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
の音に基づいた言葉であろう。 自分などは子供の時に、鴨跖草即ち「つゆくさ」を、蛍草ともギイスグサとも呼んでいた。ギイスはきりぎりす、螽斯、はた織虫のことであり....