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蛤鍋
「蛤鍋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛤鍋の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でありましたろう! 青てかの道心頭をも顧みず、女のなまめいたどてらをひっかけて、
蛤鍋《はまなべ》かなんかをつつきながら、しきりと女に酌をとらせていたものでしたか....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
蒸してはおろし蒸してはおろしするので、うむし釜の御飯はビチャビチャしていた。
蛤鍋《はまぐりなべ》の味噌も固くなってしまった。私は原稿も書けないので、机を鏡台....
「我が宗教観」より 著者:淡島寒月
て常に大精進でしたから、或る時友人と全生庵に坐禅をしに行った帰りに、池の端仲町の
蛤鍋へ這入ったが、自分は精進だから菜葉だけで喰べた事がありました。それから当庵に....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
と一流の料理屋富士屋があり、もっと先へ出ると田町となって、此所は朝帰りの客を招ぶ
蛤鍋の店が並んでいる。馬道から芝居町へ抜けるところへ、藪の麦とろがあり、その先の....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
すが本人の工夫かどうか、三笑亭に訊いてみてください。それから相変わらずさしみだの
蛤鍋だの鰻だの(鰻の匂ってくる午下りの女郎屋の景色も巧かった)品川らしい食べ物ば....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ろう、おお朝飯がまだらしい、三や何でもよいほどに御膳を其方へこしらえよ、湯豆腐に
蛤鍋とは行かぬが新漬に煮豆でも構わぬわのう、二三杯かっこんですぐと仕事に走りゃれ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
火を沢山入れて、火鉢を二つばかりよこしてくんな、何か温かい物が出来るかえ」 爺「
蛤鍋が出来ます」 男「それアいけねえ」 爺「独活鱈が出来ます」 男「そいつは強気....
「醤油仏」より 著者:吉川英治
、柱の根元へ獅噛みついた。 「野郎、今日ばかりは、余ッぽど慌てやがったようです」
蛤鍋屋の奥で、町内の顔役が笑っていた。 「どうも、有難う存じました。お蔭様で仕返....
「魚紋」より 著者:吉川英治
って云うのに、何も好んで人殺しなどはしたくねえ。ただ、その七百両の一件だが』 『
蛤鍋屋へでも行って、飲みながら話すとしよう。こう、襟くびが、何時までもぞくぞくし....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
「岩五郎の乾分が、ばくち場で、ちらと、妙なことを口走りましたから、帰りを誘って、
蛤鍋屋へつれこみ、かまをかけて、訊いたんです。岩五郎の持っている苫舟を、堀の茶漬....