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「蛮勇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蛮勇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
チャンス」より 著者:太宰治
ば、寒雀もずいぶんしばらく食べなかったな、と悶《もだ》えても、猛然とそれを頬張る蛮勇は無いのである。私は仕方なく銀杏《ぎんなん》の実を爪楊枝《つまようじ》でつつ....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
饅頭《まんじゅう》をパク付く。衛生も糸瓜《へちま》もあったものではないが、こんな蛮勇には病魔の方から御免を蒙るのだから、途中腹を下すような弱虫は一人もなく、牛の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だを鍛えることを思いつきましたよ。ごらんなさい、こう乱脈な世の中になって来ては、蛮勇をふるい起こす必要がありますね。」 寿平次は胸を張り、両手を高くさし延べな....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
人もあろうに、半之丞と同じ若侍の千田権四郎という武芸こそ家中第一の達人であるが、蛮勇そのもののようなむくつけき猪武者にお妙を取られた形とあって、センチメンタル派....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
品を立食して大いに盗気を鼓舞した頃からの伝統に相違ない。しかし、食前にあれだけの蛮勇をふるうんだから、自然運動にもなって近代人にはことに適しているだろう。北のほ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
レルが住居を選んだ一郭の地は、逸品を得ようとする困難な努力にあくせくしてる博学な蛮勇を若いドイツが傾けつくしている、奇異な新しい建築法によって、ほとんど全部が建....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
十歩にして人は驚き、二歩にして人は慴《おび》ゆ。 一つの疣《いぼ》ありてその蛮勇なる鼻に蹲《うずくま》る。 絶えまなく人は恐る、その鼻汁の飛沫《ひまつ》を、....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
れたら耐らない。ヤクザ者なら叩っ切る。こっちの方から手間暇は不可ぬ。野武士時代の蛮勇を揮い、スポリと一刀に仕止めるだけさ。……それは然うと此処は何処だ?」 駕....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
国商人が破り、広東で数万函の鴉片を輸入し――しかも堂々たる密輸入をしたのを、硬骨蛮勇の両広総督、林則徐が怒って英国領事、エリオットをはじめとして英国人の多数を、....
光は影を」より 著者:岸田国士
たくない常識的な半面もなくはないのである。敵情を十分に探らずして、敵地に乗り込む蛮勇は、いかにしてもなかつた。 小諸で汽車を降りると、ひとまず、城跡の公園の中....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
かわされた。日本武尊はその兄をつかみ殺しひきさいて棄ててしまったから、天皇はその蛮勇を怖れ、諸国の悪者退治にだして殺そうとされるに至ったというのである。ミノは当....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
社内の労働団体を拒みえた彼独特の議論を聞いて、微笑を禁ずる能わざるものがあった。蛮勇も亦徒労にあらざるを知る。すなわち彼に勧むるに、米人監督招聘の必要を強調し、....
河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
残さず去ることのみの仕事と解してよい。だが、なんだといって軽々に取り扱う気になる蛮勇は止めて貰いたいが、それにはなにをおいてもまず下関、馬関、別府等、本場の専門....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ランド鎮圧に向かったが、宮廷内の陰謀と、女王の経済と、そして、アイルランド農兵の蛮勇が彼にはあまりに苛烈だったわけで、なんの成果をあげることもできず、結局、失意....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の信念を持たなかったなら、折角奮闘努力しようとする勇気も正当の勇気とならないで、蛮勇となり乱暴とさえなり終るのであります。正義の戦とか、御国のためとか、陛下の御....