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蛮国
「蛮国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛮国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
喰うほどの大きな蜘蛛が有る筈はない、猛獣や毒蛇ばかり跋扈《ばっこ》して居る大の野
蛮国なら知らぬ事、文明の絶頂に達した此の英国に、何で秀子の云う様な毒蜘蛛が居る者....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
て、袖の下で笑っているであろう。西洋人は、日本が平和な文芸にふけっていた間は、野
蛮国と見なしていたものである。しかるに満州の戦場に大々的|殺戮を行ない始めてから....
「日清戦争異聞(原田重吉の夢)」より 著者:萩原朔太郎
聖賢の教ありつる国」で、孔孟《こうもう》の生れた中華であったが、今は暴逆無道の野
蛮国であるから、よろしく膺懲《ようちょう》すべしという歌が流行《はや》った。月琴....
「戦場」より 著者:夢野久作
、伊、露、米、等々々は皆、吾々の文化を恐れ、吾々の正義を滅ぼそうとしている旧式野
蛮国である……わかったか……」 「……………」 「これを憤ったカイゼルは現在、吾....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
歩けないほどに寄って来る。実際僕はヨーロッパへ来たと言うよりもむしろ、どこかの野
蛮国へ行ったような気がした。 そしてその後、日本の浅草よりももっとずっと上等の....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
い生々しい柔しい顔の色とに黙って眼じりを下げていさえすればいいんだ。 西洋の野
蛮国たるロシアでは、「乞食と囚人とは馬鹿にするな、いつそれが誰の運命になろうもの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が始まるのです。日本も今、その手にかかろうとしているが、日本は日本として決して野
蛮国でも、未開国でもない、ただ暫く国として眠っていたばかりなのですから、そうやす....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
あお金払いのいい、思いやりの深い、あちこち届く国民でしょう? 五十年まえまでは野
蛮国だったんですって? 信じられません! いいえ、信じられません! ほんとに家じ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
花《へびのぼうず》や緑色の実のなってる樅の小枝などを、それに突きさした。まるで野
蛮国の小さな女王みたいだった。そしてただ一人で、噴水のまわりを跳《は》ねた。両腕....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ているなどというのを真にうけていると、再び軍国となり、発狂し、救いがたい愚昧の野
蛮国になってしまうばかりだ。 しかし、とにかく、君の会社が村の策謀を尻目に、君....
「教育の目的」より 著者:福沢諭吉
下に限らず、現今世界各国の交際においてもまた然り。かの西洋諸国の人民がいわゆる野
蛮国なるものを侵して、次第にその土地を奪い、その財産を剥《は》ぎ、他の安楽を典《....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
し、文明が野蛮に打勝つ自然の大法だとも信じている。それ故に露西亜人の眼から見て野
蛮国たる日本に露西亜が負けたのは英人がブアに負けたのと同様、啻に露西亜一国の不名....
「図書館協会六十周年に寄せて」より 著者:中井正一
「人間魚雷」だけであって、文化の組織としては、パキスタン級であると世界は見、一野
蛮国扱いなのである。 果たしてそうであろうか。しかも六十年の図書館の協会史をも....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、西平関へ進出させること。これ一路であります」 「うむ。第二路は」 「遠く、南
蛮国へ密簡を送り、国王|孟獲に、将来大利ある約束を与え、蛮兵十万を催促して、益州....
「山の人生」より 著者:柳田国男
白きこと雪の如く、松の大木の梢にかゝつて居た」とあって其末に、「世に謂ふ山姥は南
蛮国の獣なり。其形老女の如し。腰に皮ありて前後に垂れ下りたふさぎの如し。たま/\....