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「蛮声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蛮声の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
男女同権」より 著者:太宰治
も皆、起きて外へ飛び出し、騒ぎが大きくなるばかりでございましたので、おまわりは、蛮声を張りあげて、二階の者たちに、店の戸をあけろ! と呶鳴りました。それでどうや....
グッド・バイ」より 著者:太宰治
ので、ひどく酔った。ちょっとここへ寝かせてもらおうか。」 「だめよ!」 鴉声が蛮声に変った。 「ばかにしないで! 見えすいていますよ。泊りたかったら、五十万、....
火の鳥」より 著者:太宰治
りかからせたら、どんな男の人だって、当惑するわ。気の毒よ。」 数枝は、呆れて、蛮声を発した。 「白虎隊は、ちがうね。」さちよの祖父が白虎隊のひとりだったことを....
女類」より 著者:太宰治
酔客たちも興が覚めた顔つきで、頬杖《ほおづえ》なんかつきながら、ぼんやり笠井氏の蛮声に耳を傾けていました。 「ただ、この、伊藤に向って一こと言って置きたい事があ....
人間失格」より 著者:太宰治
んだが、と言葉では嘆じながら、手で口を覆って笑っていました。自分は、あの雷の如き蛮声を張り上げる配属将校をさえ、実に容易に噴き出させる事が出来たのです。 もは....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
くり》するような声で呶鳴《どな》った。 ……そのうち、正三もここでは皆がみんな蛮声の出し合いをしていることに気づいた。彼も首を振るい、自棄《やけ》くそに出来る....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
ラ教えてもその通りには決して出来なかったし、自分でも諦めていたと見えて思い切った蛮声を張上げて思う存分、勝手気儘な舞い方をした。長刀を持たせると大喜びでノサバリ....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
上った時、戞々たる馬蹄の響きが聞えて、 「待て、待てえ!」と野田武蔵のたのもしい蛮声。 馬から降りて金内の屍に頭を垂れ、 「えい、つまらない事になった。ようし....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
気は壮とするが、こればかりはねえ」 そういっているとき、受付の方角から、大きな蛮声がこっちへ響いてきた。田毎大尉と戸川中尉とは、思わず顔を見合せた。 「しかた....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さと、社会的未訓練から亢奮して、心の肌目の荒びた、強引な、力《ちから》声と称する蛮声をあげ(詩人はまだその時期にいるが)ましたが、この頃はいくらか平正心に戻りか....
」より 著者:神西清
、怖ろしいほどの速力で奔り下りた。彼は顫え上がって、両肘を突張り、狂気したような蛮声を上げた。私はついぞそれまでに彼がそんな声を出すところを見たことがなかった。....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
うせみんなが酔っていた。私の周囲にはいつのまにやら三等客の学生たちが有りったけの蛮声を張りあげていた。ピアノを弾く者もいた。踊る者もいた。それをまた覗きに来て、....