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蛮族
「蛮族〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛮族の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
俳優のいわゆるスターだそうである。幕末勇士などに扮《ふん》した男優の顔はいかなる
蛮族の顔よりもグロテスクで陰惨なものであるが、それが特別に民衆に受けると見えてそ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
一年|蒙古襲来に当たってわが国は首尾よくこれを撃退したために、シナ本国においては
蛮族侵入のため不幸に断たれた宋の文化運動をわれわれは続行することができた。茶はわ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ってしまうのであるから、その酷刑であることは論を竢《ま》たないが、ハワイその他の
蛮族中には、タブーを犯す者は、多くはこれを死刑に処するものとするものがあるのに較....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に在ったときに雇い入れた奉公人であった。雲南地方の山地には苗または※という一種の
蛮族が棲んでいるが、老女もその一人で、老年でありながら能く働き、且は正直|律義の....
「征服の事実」より 著者:大杉栄
アの一民族たる、ロゼルの転訛したものである。プロシャはプロイセンというスラブの一
蛮族の名で、十二世紀の終り頃に、ドイツにはいったのである。」 この事実は、僕が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
者の言で、一向話にならぬ。また動物のあるもの(例せば犬)は嗅覚甚だ精しく、人間も
蛮族や不具で他の諸覚を亡《うしの》うた者が鼻で多く事を弁ずるから、鼻の鈍い者ほど....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
に、万里の長城がどうしたって……。」 「延々と三千キロに近いあの大城壁です。辺境
蛮族の侵入を防ぐための大工事ですが、あれだって、淮河の治水工事と……。」 青木....
「パルテノン」より 著者:野上豊一郎
われている。それは紀元二世紀の前半のことであった。 紀元三世紀に入ると、北方の
蛮族が南の方へ目を向けてギリシアは不安の状態になって来た。その頃はローマの勢力が....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
白い事が少しも無い。面白いのはもう漠たる太古の霧に包まれ、よく分からぬほど以前の
蛮族時代、人と人とが武器を以て戦争し、命の遣り取りをした頃の記事のみだ。 新聞....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
人に似たり。当市の商業は、多大の魚類を輸出するのみ。また、ここにラップと名づくる
蛮族あり。もとスウェーデンのラップランドより移住し来たるものなり。獣皮を着、異帽....
「上海」より 著者:横光利一
蝋燭の光りの中で、大きな影を造って笑っている山口の顔が、このとき甲谷には恐るべき
蛮族のように見えて来た。 「頭の上に革命があるというのに、ここで君は始終そんなこ....
「三国志」より 著者:吉川英治
されるでしょう。けれどまた、ひとたび都へかえる時は、たちまちもとの状態に戻って、
蛮族どもは、乱を思い、虚をうかがい、決して王化に服しきるものではありません」 ....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
例えば東北地方の幼児の死亡率が、世界一の未開民族として知られているタスマニヤ島の
蛮族に較べて、殆ど同程度であるというようなことである。この原因を追及したならば、....
「読書と著書」より 著者:矢内原忠雄
スの『神の国』は今より約千五百二十年前の著述であって、その執筆を始めたのは、北方
蛮族の軍がロマを陥れて掠奪をほしいままにした事件の三年後(四一三年)であった。当....