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蛮行
「蛮行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛮行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ても出来ない話だ。またその約束を楯《たて》にとって相手をぎゅぎゅ押しつけるなんて
蛮行は野暮《やぼ》の至りである。大抵の約束を実行する場合を、よく注意して調べて見....
「女性の歴史」より 著者:宮本百合子
て帰って来たかも知れない。何故そこから新しい文学が生れないのだろうか。歴史的な野
蛮行為のなかにまきこまれて、苦悩し、ひそかに泣き、人間らしさを恋うた心が一つもな....
「三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
る時代に、政治上の反対者に対し、その他の良民に対して武器の脅威を以て臨むことの野
蛮行為であることは何人にも承認されるはずです。私は露西亜のあれほどの騒乱が人命を....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
物の火刑という儀式が行なわれた時、吾々は甚だ驚いたものだ。之はいうまでもなく、野
蛮行為の一つであると思われたからである。儒者を坑にした秦の始皇を思い出したのであ....
「階級闘争の彼方へ」より 著者:与謝野晶子
的感情がまだ多分に残っていますから、最近の大戦のような文化生活の破壊を試みる一大
蛮行が突如として発生もしましたが、人は到底野獣の生活に還元されるものでなく、かえ....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
がつきます。そして、大抵の場合に婦人が勝訴になります。時には、良人が何等の悪意も
蛮行もない場合に於てさえ婦人は訴訟して、勝つ事がございます。 其は何故でござい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。たしかに主人公がいないと見極めて、急に悪性《あくしょう》がこみ上げて来て、この
蛮行に出でたものかも知れない――この雑然、噪然《そうぜん》、困惑の中に、金椎のみ....
「「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
は頑として応じない。然しさすがは、カーマ・スートラを所有する印度のことだ。手荒な
蛮行や、猥らな仕業は、微塵もない。その代りに、不可思議の情熱の生活が初った。 ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
さ! だれがそんな勝利者をうらやむものか。獰猛《どうもう》な愚かな生命のあらゆる
蛮行に飽きはてた後、勝利者になって何になろうぞ。作品全部が生命にたいする恐るべき....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
「ええ、それは僕にもわかっています、あなたがたには殺すということが、歴史以前の野
蛮行為のように思われるでしょう。このパリーのきれいな人たちは、牡《おす》が自分を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
であり、防御は激烈であった。最後に、戸が破れた時には、鏖殺《みなごろし》の狂猛な
蛮行が演ぜられた。襲撃者らはこわされて床《ゆか》に投げ出された戸の板に足を取られ....
「シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
でもないことを教えたようなものだった。ジョンソン博士はそれを憤慨して、ゴート人の
蛮行《ヴァンダリズム》だと非難したが、そのくせ、婦人尊敬の癖を持っていた博士はリ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
一般に類似していることからして、吾々は、これらの島のあるものには上述の如き甚しい
蛮行のあるものがないとはいえ、女子に関する悪習と戦争とが、その人口に対する主たる....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
った時代が、僕の性格の骨組を洗煉しましたので、僕は、船のなかでふつうおこなわれる
蛮行に対して烈しい嫌悪を抑えることができません。そんな必要があるとは信じられない....
「決闘」より 著者:神西清
論よりも力強い或る力が存在するんだ。われわれは常づね声を大にして、戦争は追剥だ、
蛮行だ、戦慄だ、兄弟殺しだと叫ぶ。われわれは失神せずして血を見ることは出来ない。....