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「蛸壺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蛸壺の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
冬の事だが、僕が越後の国は蒲原郡《かんばらごおり》筍谷《たけのこだに》を通って、蛸壺峠《たこつぼとうげ》へかかって、これからいよいよ会津領《あいづりょう》へ出よ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、片手には例の通り、般若の面を、しっかりと抱いたままで、右の手を、竜安石の下の蛸壺《たこつぼ》になっているようなところへ突っ込むと、暫くして、極めて巧みに掴み....
蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
か、それとも未知の間なのだろうか、さっぱり見当がつかない。見たところ、ただ、蛸が蛸壺からちょっと覗き出し、またこそこそと引っ込んだ、それだけのことに過ぎない。屋....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
た。始めコンクリートの池を改造して防空壕をつくつたが、そのうちドラム缶をもらひ、蛸壺壕をつくつた。日本鋼管のエライ人から貰つたもので、鉄の蓋が工夫よくつくられて....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
雑器を試みます。浅口郡に大原窯があって、釉のない瓦焼で、土瓶とか焙烙とか土鍋とか蛸壺とかを作ります。少しもいやみのない品々で、こういう質素なものの値打は、もっと....
日本のこころ」より 著者:中谷宇吉郎
る現代風のものの考え方では、その解釈が非常に困難になるような種類の感情である。「蛸壺《たこつぼ》やはかなき夢を夏の月」の句を英訳することが、ほとんど不可能である....