蜘蛛の子を散らす[語句情報] » 蜘蛛の子を散らす

「蜘蛛の子を散らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蜘蛛の子を散らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乱世」より 著者:菊池寛
り囲んだのは。錦の布片を付けた同士が、激しく戦った。ここまで付いて来た農兵隊は、蜘蛛の子を散らすように逃亡した。偽の万里小路侍従は、流弾に斃れた。その場で殺され....
蠅男」より 著者:海野十三
きの光景はいかがでした」 「ウン、なかなか勇壮なものだったそうだ。味方はたちまち蜘蛛の子を散らすように四散して、電柱のかげや共同便所のうしろを利用してしまったと....
愛と美について」より 著者:太宰治
マダムとわかれてから、沛然と夕立ち。どうりで、むしむし暑かった。散歩の人たちは、蜘蛛の子を散らすように、ぱあっと飛び散り、どこへどう消え失せたのか、お化けみたい....
忘恩」より 著者:田中貢太郎
をさした。強い銃声とともに大猿は仆れてしまった。と、猿の間に非常な混乱が起って、蜘蛛の子を散らすように八方へ逃げてしまった。 残忍な大塚は大恩ある猿を獲物にし....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
という声が、門口に群れている藤兵衛の乾児――捕吏たちの間から湧き起こり、つづいて蜘蛛の子を散らすように、四方へ逃げ出したという意外な出来事が、惹起されたではあり....
死んでいた狒狒」より 著者:田中貢太郎
ておかれない」 「負けたら、大変だ」 「山の者を皆呼んで来い」 小舎の中の者は蜘蛛の子を散らすように外へ出た。そして、壮い木客の傍へ往く者もあれば、近くの小舎....
越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
これを引き分けようとしたが、牛は暴れて人を突き、人を踏み、被害甚大。 見物人は蜘蛛の子を散らすように逃げだして、このまま捨て置けば幾人人間があやめられるか分か....