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蜘蛛の糸
「蜘蛛の糸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蜘蛛の糸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
た蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその
蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮《しらはす》の間から、遥か下....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
て仰ぐと、溪の空は虻《あぶ》や蜂《はち》の光点が忙しく飛び交っている。白く輝いた
蜘蛛の糸が弓形に膨らんで幾条も幾条も流れてゆく。(その糸の上には、なんという小さ....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
一分の隙のない、まとまった書き出しに俺はまず気押されてしまった。ことに一句一句、
蜘蛛の糸のように粘り気があって、しかも光沢のある文章が、山野一流の異色ある思想を....
「オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
逃げられなくなってしまいました。これは大変と藻掻《もが》けば藻掻《もが》くほど、
蜘蛛の糸は身体《からだ》にヘバリついて、手や足にからまって、しまいには動くことが....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
す」秀子「飛んでもない事を仰有る、アノ家へ入らっしゃれば毒蜘蛛に喰い殺されます、
蜘蛛の糸に巻かれ身動きも出来ぬ様になり、迚も活きては返られません」今の文明の世に....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
なく、その原理は聊か複雑である。心臓から出る電気を一定の方法によって導き、それを
蜘蛛の糸よりも細い、白金で鍍金した石英糸に通過せしめ、糸の両側に電磁石を置くと、....
「春昼」より 著者:泉鏡花
いた口の裏に誦したのは、柱に記した歌である。 こなたも思わず彼処を見た、柱なる
蜘蛛の糸、あざやかなりけり水茎の跡。 「そう承れば恥入る次第で、恥を申さねば分ら....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
から、一寸竪坑の方によって、又、上に行く斜坑がある。井村は又、それを這い上った。
蜘蛛の糸が、髪をのばした頭にからみついた。汚れた作業衣は、岩の肌にじく/\湿った....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ようなたくみなぬすみ聞きをする高声装置ではなかったか。そして、天井から下っている
蜘蛛の糸とみたのは、高声電流を通ずる電線ではなかったか。だから、蜘蛛そのものは、....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、十本の中で両端の二本宛は単純な絹紐だよ。所が、中の八本は本物の小道具なんだ。土
蜘蛛の糸にはもう二十年此の方、電気用の可熔線を芯にして使っている。しかも、その中....
「書記官」より 著者:川上眉山
ことを知りぬ。先に立つ善平につれて誰も彼も疎略には思わざりき。辰弥は思うがままに
蜘蛛の糸を吐きかけて人々をことごとく網の中につつみぬ。かくして末の婢より上の隠居....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
脱ぐ。 苦学の泥の跳ねあとを棘の舌ですっかり嘗めてしまった猫のような青年紳士は
蜘蛛の糸の研究者で内地レントゲン器械製造会社との密約者。 眩しいような白と萌黄....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
その人となりを知るべきである。 京伝と仲たがいした真因は判然しないが、京山の『
蜘蛛の糸巻』、馬琴の『伊波伝毛之記』および『作者部類』を照らし合わしてみると、彼....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
からぶら下っていた蜘蛛が、つるつると降りて来て、賀川市長をグルグルグルと七筋半の
蜘蛛の糸で締めあげてしまった。そして蜘蛛はどこかに消えうせてしまった。 〈めだか....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
き出した。積乱雲の大塊は早くも南から東の遠い地平線上に奇怪な姿を顕わして、乱れた
蜘蛛の糸のように其巓を天風に吹き散らされているものもある。近い後立山山脈はこの背....