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蜘蛛の網
「蜘蛛の網〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蜘蛛の網の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
それをきいたオシャベリ姫はすぐに思い切って、鉄の塔の入り口一パイに張ってある
蜘蛛の網を眼がけて飛びこみました。 ところが、その
蜘蛛の網はたいそう丈夫な網で....
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
好いのだから、平気で待っているのです。若し一匹の極まった虫を取ろうとするのだと、
蜘蛛の網は役に立ちますまい。わたしはこうして僥倖を当にしていつまでも待つのが厭に....
「七階の住人」より 著者:宮本百合子
部屋の一番入口近い端にあった。幾十という、すばしこい、笑いたい盛の若い娘の視線が
蜘蛛の網のように一点に注がれる。いやでも、伏目がちにしゃちこばり、聖餐にでもあず....
「蠅」より 著者:横光利一
の匂いの中から飛び立った。そうして、車体の屋根の上にとまり直ると、今さきに、漸く
蜘蛛の網からその生命をとり戻した身体を休めて、馬車と一緒に揺れていった。 馬車....
「からすうりの花と蛾」より 著者:寺田寅彦
い。高射砲など常識で考えても到底頼みになりそうもない品物である。何か空中へ莫大な
蜘蛛の網のようなものを張ってこの蛾を食い止めるくふうは無いものかと考えてみる。あ....
「日輪」より 著者:横光利一
与えた。玉は我の玉である。」 彼は胸の勾玉を圧えながら、櫟と檜の間に張り詰った
蜘蛛の網を突き破って森の中へ馳け込んだ。 反絵は石窖の前まで来ると格子を握って....
「蜘蛛となめくじと狸」より 著者:宮沢賢治
。 もうしご冥加《みょうが》ご報謝と、 かどなみなみに立つとても、 非道の
蜘蛛の網ざしき、 さわるまいぞや。よるまいぞ。」 「小しゃくなことを。」と蜘蛛....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
、午前《ひるまえ》の十一時には名代部屋を合わせて百|幾個《いくつ》の室《へや》に
蜘蛛の網《す》一線《ひとすじ》剰《のこ》さず、廊下に雑巾まで掛けてしまった。 ....
「道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
今夜ばかりはどうしてか、一つ一つに打ち出す呻き声がさっきのように谷底の小蛇の巣や
蜘蛛の網にまでひびいて行ったのだから、ほんとにどのようなしかえしが来ようも知れぬ....
「ラジオ雑感」より 著者:寺田寅彦
レフォンでやっと聞こえるようになってしまった。機械を調べてみると、何とかいうあの
蜘蛛の網の形をした捲線が新しく取換えられてあるのである。使いをやって元の古い捲線....
「烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
い。高射砲など常識で考えても到底頼みになりそうもない品物である。何か空中へ莫大な
蜘蛛の網のようなものを張ってこの蛾を喰い止める工夫は無いものかと考えてみる。ある....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
がそれだ。蜘蛛の周囲を巡って、微細い血痕が、霧のように飛び散っている。張り渡した
蜘蛛の網と見れば見られる。ところどころに、耳ほどの形の血痕が附いている。網にかか....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
らせてやらなければならない。これがすなわちあのノーフォークの先生を悩ましている、
蜘蛛の網だからね」 たしかに着々とその通りに進んだ。私はその話を一時は子供威し....
「決闘」より 著者:神西清
の日は非常に暑く、日蔭でも三十度はあった。大気は死んだようにそよりともせず、長い
蜘蛛の網が栗の梢から地上に力なく垂れ下がったまま、じっと揺れずにいた。 補祭は....