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蜜
「蜜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蜜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
》を二枚重ねた、博奕《ばくち》打ちらしい男などは新聞一つ読もうともせず、ゆっくり
蜜柑《みかん》ばかり食いつづけていた。
しかし大勢の面会人も看守の呼び出しに来....
「葱」より 著者:芥川竜之介
のを軽蔑している。あれは全く尋常小学を出てから、浪花節《なにわぶし》を聴いたり、
蜜豆《みつまめ》を食べたり、男を追っかけたりばかりしていた、そのせいに違いない。....
「女」より 著者:芥川竜之介
の底に、じっと何か考えていた。
すると空に翅音《はおと》がして、たちまち一匹の
蜜蜂が、なぐれるように薔薇の花へ下りた。蜘蛛《くも》は咄嗟《とっさ》に眼を挙げた....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
れから麦畑をぐるぐる廻る、鍵《かぎ》の手に大根畑《だいこんばたけ》を走り抜ける、
蜜柑山《みかんやま》をまっ直《すぐ》に駈《か》け下《お》りる、――とうとうしまい....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
燕《いわつばめ》を眺めていると、あるいは山峡《やまかい》の辛夷《こぶし》の下に、
蜜《みつ》に酔《よ》って飛びも出来ない虻《あぶ》の羽音《はおと》を聞いていると、....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
に後《あと》を追って来ました。庫裡には釜をかけた囲炉裡《いろり》の側に、勇之助が
蜜柑《みかん》を剥《む》いている。――その姿を一目見るが早いか、女は何の取付《と....
「或る女」より 著者:有島武郎
》みじんに無くなってしまっていた。倉地を得たらばどんな事でもする。どんな屈辱でも
蜜《みつ》と思おう。倉地を自分ひとりに得さえすれば……。今まで知らなかった、捕虜....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。そして何とはなく倉地をじらしてじらしてじらし抜いたあげくに、その反動から来る
蜜《みつ》のような歓語を思いきり味わいたい衝動に駆られていた。そしてそれがまた倉....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
と始めにはただ秩序なき均等な渾沌、）。河々には神の美酒と牛乳が流れ、槲樹からは蜂
蜜が滴り落ちた。ジュピター（ツォイス）がサターン（クロノス）を貶してタルタロスに....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
おもいだしたとたん、くらくらとなったようでした。 「さあ、クラレットをやろうよ。
蜜酒に、ブレーメン・ビールだ。」と、客のひとりがさけびました。 「どうです、いっ....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
思った。 五六町余り押し続けたら、線路はもう一度急勾配になった。其処には両側の
蜜柑畑に、黄色い実がいくつも日を受けている。 「登り路の方が好い、何時までも押さ....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
ばして、勢よく左右に振ったと思うと、忽ち心を躍らすばかり暖な日の色に染まっている
蜜柑が凡そ五つ六つ、汽車を見送った子供たちの上へばらばらと空から降って来た。私は....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
ほの黄色き月の出を見出でて」去り得ない趣さえ感じたことがある。愛すべき三汀、今は
蜜月の旅に上りて東京にあらず。………… 小春日や小島眺むる頬寄せて 三汀....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
主人などが車座になって話していた。あの座敷は善く言えば蕭散としている。お茶うけの
蜜柑も太だ小さい。僕は殊にこの
蜜柑にアララギらしい親しみを感じた。（尤も胃酸過多....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
誘う夏の日には、生徒たちの課業を勉強する声が、校舎から低くぶつぶつ聞えてきたが、
蜜蜂のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが途切れて、先生の、まるで叱ってい....