蝉丸[語句情報] »
蝉丸
「蝉丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蝉丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
カポコ……
▼あ――ア。両手合わせる千万無量じゃ。古い伝えは延喜の昔に。あのや
蝉丸、逆髪様が。何の因果か二人も揃うて。盲人と狂女のあられぬ姿じゃ。父の御門に棄....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
受けて霞ヶ関に伺候した。 その節のこと。或る時翁は藤堂伯(先代)から召されて「
蝉丸」の道行の一調謡の御所望を受けたが、相手の小鼓は名にし負う故大倉利三郎氏で、....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
会(その会長は美濃部機関説排撃のパイオニーヤとなった菊池武夫氏である)は、謡曲(
蝉丸)の不敬を指摘して内務省図書課に廃曲方を陳情した。その結果
蝉丸は謡曲としても....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一 過ぐる夜のこと、机竜之助が、透き通るような姿をして現われて来た逢坂の関の清水の
蝉丸神社《せみまるじんじゃ》の鳥居から、今晩、またしても夢のように現われて来た物....
「美音会」より 著者:佐藤垢石
座って見台を眺めたところを見ると吉備舞と異なって急に芸人臭い感じがした。渋い喉で
蝉丸の山入が始まる。『一中は親類だけに二段きき』という川柳がある。それを聴衆は神....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
当り、有名な坂で昔の関所の旧跡であるが今日では近江分になっている。そのかみここに
蝉丸という盲人が草庵を結んで住み、かの有名な「これやこの行も返るも別れつヽ知るも....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
。席上にはその頃まだ大学の生徒であった今の博士寺田寅彦君もいた。謡ったのは確か「
蝉丸」であった。漱石氏は熊本で加賀宝生を謡う人に何番か稽古したということであった....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たきがする。 関の明神の頂は、無明の琵琶を抱いて、ここに世を避けていたという、
蝉丸道士の秘曲を山風にしのばせて、老杉空をかくし、苔の花を踏む人もない幽寂につつ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、たいへんですこと。でも、御修行なら、やはり都でなければいけませんね。都でなら、
蝉丸流、師長流、式部親王家の御流などの流れを伝える家々もありますし、名手もたくさ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
にお帰りでしたが、あとで、東宮ノ大夫やら小女房までが、覚一法師というのは、近ごろ
蝉丸の再生とみんなが評判している琵琶の上手、みすみす惜しいことを遊ばしたと、皆し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、座役の数名の人だけが口を嗽いで、道場にあつまっていた。 日ごろは琵琶の祖神|
蝉丸像の幅が見える板かべの床には、それが外されて、稚拙な地蔵菩薩像の幅がかけられ....