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蝕する
「蝕する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蝕するの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
背けて嘆息し、たちまち狙を外らすや否や、大夫人を射て、倒して、硝薬の煙とともに、
蝕する日の面を仰ぎつつ、この傲岸なる統領は、自からその脳を貫いた。 抱合って、....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
にしましょうぜ、組長さん。そんなら云うが、この薬の働きはねえ、人間の柔い皮膚を浸
蝕する力がある」 「そうか、柔い皮膚を、抉りとるのだな」 「それ以上は、言えねえ....
「征服の事実」より 著者:大杉栄
持つようになり、まったく異なった種族を形づくってしまった。そして各種族は互いに接
蝕するごとに、衝突となり戦争となって、残酷な仇同士となった。 この形勢は、発明....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
、剥《は》げて木地《きじ》が露《あら》われる。古手の思想は木地を飾っても、木地を
蝕する力に乏しい。木地に食入って吾を磨くのは実感だのに、私は第一現実を軽蔑してい....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
国定教科書の中に入れていけないといういわれを見出すことが出来なかった。日本魂を腐
蝕する毒素の代りにそれを現代に活かす霊液でも、捜せばこの智恵の泉の底から湧き出す....
「鉛をかじる虫」より 著者:寺田寅彦
法を講じる外はないであろう。 虫の口から何か特殊な液体でもだして鉛を化学的に侵
蝕するのかと思ったが、そうでなくて、やはり本当に「かじる」のだそうである。その証....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
つける。受刑者が火を磨り消そうと努力すればするほど炎の面積が広くなり、燐が骨を腐
蝕する時間が早くなる。つまり刑罰の主要なモーメントの案配は、受刑者の自由意志に任....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に足る。その岬頭の最高点は海抜一千十七尺あり、山上には岩石あるのみ。これに緑苔の
蝕するを見る。岩陰には雪なお累々たり。もし、山麓の海に浜せる地に至りては小草繁茂....
「三国志」より 著者:吉川英治
がこの間に、魏王の威力と、その黄金力や栄誉の誘惑はしんしんとして、朝廟の内官を腐
蝕するに努めていた。さなきだにもう心から漢朝を思う忠臣は、多くは亡き数に入り、或....