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蝶
「蝶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蝶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たのに相違ありません。それが眉の濃い、血色|鮮《あざやか》な丸顔で、その晩は古代
蝶鳥《こだいちょうとり》の模様か何かに繻珍《しゅちん》の帯をしめたのが、当時の言....
「老年」より 著者:芥川竜之介
へ、稽古に行ったもんでさあ。」
「駒形《こまがた》の、何とか云う一中の師匠――紫
蝶ですか――あの女と出来たのもあの頃ですぜ。」と小川の旦那も口を出した。
房さ....
「白」より 著者:芥川竜之介
き、黒塀の外へぬけ出しました。黒塀の外には春の日の光に銀の粉《こな》を浴びた紋白
蝶《もんしろちょう》が一羽、気楽そうにひらひら飛んでいます。
「ああ、きょうから....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ない。三世の苦痛を知るものは我我人間のあるばかりである。
小泉八雲は人間よりも
蝶になりたいと云ったそうである。
蝶――と云えばあの蟻を見給え。もし幸福と云うこと....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
》れはこの寂しい残暑の渚と不調和に感ずるほど花やかに見えた。それは実際人間よりも
蝶《ちょう》の美しさに近いものだった。僕等は風の運んで来る彼等の笑い声を聞きなが....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ているらしい。保吉はそっと立ち聞きすることにした。
第一の毛虫 この教官はいつ
蝶《ちょう》になるのだろう? 我々の曾々々祖父《そそそそふ》の代から、地面の上ば....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
来へひょいと一足踏み出すと、新蔵のかぶっている麦藁帽子の庇《ひさし》をかすめて、
蝶が二羽飛び過ぎました。烏羽揚羽《うばあげは》と云うのでしょう。黒い翅《はね》の....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
もむ》ろに石ころに変り、石ころは又|馬鈴薯《じゃがいも》に変り、馬鈴薯は三度目に
蝶に変り、
蝶は最後に極く小さい軍服姿のナポレオンに変ってしまう。ナポレオンは手の....
「或る女」より 著者:有島武郎
かびしゃ》に出た。そしてにやりとしながらがっくりと顔を上向きにはねて、床の間の一
蝶《いっちょう》のひどい偽《まが》い物《もの》を見やっていた。古藤がとっさの返事....
「或る女」より 著者:有島武郎
《そくはつ》にさせた項《うなじ》とたぼの所には、そのころ米国での流行そのままに、
蝶《ちょう》結びの大きな黒いリボンがとめられていた。古代紫の紬地《つむぎじ》の着....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
であろう。よく気をつけて見るがよい。』 そう注意されている中に、もう私の眼には
蝶々のような羽翼をつけた、大さはやっと二三|寸から三四|寸位の、可愛らしい小人の....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
らのなかからも、注目すべき人が出た。『読売』では中坂まときの時分に、若菜貞爾(胡
蝶園)という人が出て小説を書いたが、この人は第十二小区(いまの日本橋|馬喰町)の....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
売がずっと店を出していたものだったが、その中で残っているのは菜の花の上に作り物の
蝶々を飛ばせるようにした
蝶々売りと、一寸か二寸四方位な小さな凧へ、すが糸で糸目を....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
助けください」 と言って天の一方を見上げながらおかあさんがいのりますと、そこに
蝶のような羽ばたきをさせながら、小さな雲雀がおりていました。そしてそれが歌をうた....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
だ残っていた。三宅島の流罪人名士をあげると竹内式部、山県大弐の勤王学者、絵師英一
蝶、「絵島生島」の生島新五郎、侠客小金井小次郎など多士多彩だ。しかしこれらの流罪....