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「蝶番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蝶番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
であった。巨大な鉄製の扉も同じように銅張りになっていた。その扉は非常に重いので、蝶番《ちょうつがい》のところをまわるときには、異様な鋭い軋《きし》り音をたてた。....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、けれど幽霊よりも却って薄気味が悪い。余は猶も力を込めて戸を推したが、メリメリと蝶番《ちょうつがい》が毀れて戸は下の屋根へ落ち、室の中が一時に明るく成った、とは....
赤外線男」より 著者:海野十三
い、畏りました」 ダリアは割合に元気に窓のところに歩みよっては、パタンパタンと蝶番式にとりつけてある雨戸を合わせてピチンと止め金を下ろし、その内側に二重の黒カ....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
る。舵は浮嚢を縛りつけたロープで左寄り十度程の処へ固定され、緑色の海草が、舵板の蝶番へ少しばかり絡みついていた。 東屋氏はロープの端の浮嚢を指差しながら下男に....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
ときのほかには、決して開かれることがなかった。そして開かれるときには、その巨大な蝶番がぎいっと軋るたびごとに、私たちはその音のなかに、かずかずの神秘を――厳かな....
恐竜島」より 著者:海野十三
たので、今まで気がつかなかったのだが、一種の棒である。 この筏になっている扉の蝶番《ちょうつがい》のあるところは、もとネジで柱にとめてあった。その柱が木ネジと....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
て、わが仮小屋にてその半を、広岡にてその半ばを使いたりし、蓋は二ツに折るるよう、蝶番もて拵えたり。井戸の蓋と隔ての戸とをこれにて兼ね、一方を当てて夜ごとには彼方....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
である。 然し其処には、不似合に大きな柱時計と画布や洋画道具の外に、蔵書と蓋の蝶番が壊れた携帯蓄音機があるだけで、朔郎はこの室を捜索するために、柳江の書斎に移....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
斧を肩の上にふり上げた。打ち下ろすと建物がゆれ動き、赤い粗羅紗を張ったドアは錠と蝶番とに当って跳ね返った。まるで動物的な恐ろしい叫び声が書斎から響きわたった。斧....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
う一足も行けそうもなくなりました。そこで彼は小屋の前に坐りましたが、見ると、戸の蝶番が一つなくなっていて、そのために戸がきっちり閉っていません。下の方でちょうど....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
中でも外套膜の周辺組織内にできる物が形も色も光沢もよく、比較的珠も大きい。介殻の蝶番部に相当する外套膜にできるものは不正形であるが、非常に光沢のよい長円形の物が....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
るほど浅く仕掛けておいたものだと申しました。ところが二枚の扉は錠が外れないために蝶番いが外れて倒れました。たしかにツジツマが合いません。そのために殺意ありと疑わ....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
中の一篇にこのトリックの典型的なのがある) (二)、錠前も閂もいじらずに唯ドアの蝶番を外す。――これは学校生徒達が鍵のかかった戸棚から物を盗み出そうとする時によ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、白く光る雲の下に、明く、しっとりと露を切る。……木戸の釘は錆びついて、抜くと、蝶番が、がったり外れる。一つ撓直して、扉を開けるのですから、出会がしらに、水鶏で....
審判」より 著者:カフカフランツ
にあうだけです。なにしろこの部屋じゃ、どんな扉もほんの少し手を下すだけでわけなく蝶番からはずせますからね」 この話のあいだじゅう、上着を脱ぐべきかどうか、Kは....