蝸牛[語句情報] » 蝸牛

「蝸牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蝸牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いてん》し」と言うのは必しも常に優美ではあるまい。 支那 蛍の幼虫は蝸牛《かたつむり》を食う時に全然蝸牛を殺してはしまわぬ。いつも新らしい肉を食う為....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ね、やっとこの上方《かみがた》の自然に似た二つの小峰を見つけ出してその蔭に小さな蝸牛《かたつむり》のような生活を営んだことを考えてみた。少女の未練のようなものを....
高野聖」より 著者:泉鏡花
からだ》じゃ、肌《はだ》さえ脱いだことはついぞ覚えぬ。しかも婦人《おんな》の前、蝸牛《まいまいつぶろ》が城を明け渡したようで、口を利《き》くさえ、まして手足のあ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
わち、太陽は四季の循環を生じる。太陰の盈虚に伴って動物の脳味噌、骨や樹の髄、蟹や蝸牛の肉が消長する。太陰は不可抗な力をもって潮汐の波を起こすが、太陽がこれを助長....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
が今一層高くなければならぬ事を痛切に感ずる。 有体に言うと今の文人の多くは各々蝸牛の殻を守るに汲々として互いに相褒め合ったり罵り合ったりして聊かの小問題を一大....
怪塔王」より 著者:海野十三
双眼鏡をとりだしました。それははじめ普通の双眼鏡に見えましたが、その先を起すと、蝸牛が角をはやしたようになります。覗いて見ると、小形に似ずなかなか大きく、かつは....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た。どれ、」 と立つと、ぐらぐらとなる…… 「おっと。」 欄干につかまって、蝸牛という身で、背を縮めながら首を伸ばし、 「漆で塗ったようだ、ぼっと霧のかかっ....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
西瓜の種も差支えぬ。桃、栗、柿、大得意で、烏や鳶は、むしゃむしゃと裂いて鱠だし、蝸牛虫やなめくじは刺身に扱う。春は若草、薺、茅花、つくつくしのお精進……蕪を噛る....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
さに気が違ったのじゃあるまいか。狂い方も、蛞蝓だとペロリと呑みたくなって危いが、蝸牛なら仔細あるまい、見舞おうと、おのおの鹿爪らしく憂慮気に、中には――時々の事....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
からず……。まことに、当今は凌ぎようなりまして――だ」 しかし、進むというが、蝸牛の旅である。一日、計ってみると、三マイル弱。まだパラギル山のしたあたりの位置....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
人で一度はレストラン・エスカルゴの扉を排しないものはないであろう。エスカルゴとは蝸牛のことで、レストラン・エスカルゴは蝸牛料理で知られている店である。この店も一....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
山はこの家の周囲をぐるぐると廻って窺いましたが、あえて要害を見るには当らぬ。何の蝸牛みたような住居だ、この中に踏み込んで、罷り違えば、殻を背負っても逃げられると....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
す、もじゃもじゃどころなもんですか、沢山毛がある。」 「まあ、貴下の言うことは、蝸牛の狂言のようだよ。」と寂しく笑ったが、 「あれ、」 寺でカンカンと鉦を鳴ら....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
けて考えるに、私が傍に居ては気を取られてよくあるめえ、直ぐにこれから仕事に出て、蝸牛の殻をあけるだ。可しか、桟敷は一日貸切だぜ。」 十五 「起きよ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
板の間を隔ての、一枚|破襖に描いた、芭蕉の葉の上に、むかしむかしから留まっていた蝸牛が、ころりと落ちて死んだように見えたんですとさ。……そこが真白な雪になりまし....