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「融け合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

融け合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
二人はまた同じ輪の上をぐるぐる廻り始めた。 九十三 面と向って夫としっくり融け合う事の出来ない時、細君はやむをえず彼に背中を向けた。そうして其所《そこ》に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
をおこなうことにした。兄の血と、その子の血とを一つ器にそそぎ入れて、それが一つに融け合うかどうかを試したのである。幸いにその血が一つに合ったので、裁判は直ちに兄....
」より 著者:徳田秋声
ち解けたときの女の様子や口の利き方には心を惹かれるところがあったが、温かい感情の融け合うようなことはあまりなかった。笹村の頭の底には、そこに淡い不満も暗い優愁も....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の萱山から、青々とした裾野につゞく十勝の大平野を何処までもずうと走って、地と空と融け合う辺にとまった。其処に北太平洋が潜んで居るのである。多くの頭が窓から出て眺....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
自身より他にはありません。自分以外の本当に唯一な人と思う人さえ本当にはいっしょに融け合う事はむずかしいのです。 自分の本当の心持――それもなかなか他人には充分....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に寄せる真青な海の水……薄絹を拡げたような、はてしもなくつづく浅霞……水と空との融け合うあたりにほのぼのと浮く遠山の影……それはさながら一|幅の絵巻物をくりひろ....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
人の中に共通の道を持ち、事業を持ち、それによって燃え上る恋もまた美しい。ひとつに融け合う夫婦生活は尊い。ブース夫婦。ガンジー夫婦。リープクネヒト夫婦。孫文夫婦。....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ことも許しはしない。しかし人と人とのつながりとはこうした機微がなくては、有機的に融け合うものでないのではあるまいか。 尊いものとして、幼ない心に沁みついている....
南国太平記」より 著者:直木三十五
まま、じっと抱きしめて欲しかった。綱手は、自分の暖かみと、益満の暖かみとが一つに融け合うのを感じると、すぐ、次の瞬間、二人の肌も融け合い、二人の血が一つになって....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
り、俺もまた、俺の思想、人生観のために他人をとやこうしようとはしまい。通じ合い、融け合うものなら、おのずからにして通じ、おのずからにして融け合うであろう。我々は....
わが文学修業」より 著者:織田作之助
白に嫌気がさしていたので、小説では会話をすくなくした。なお、文楽で科白が地の文に融け合う美しさに陶然としていたので会話をなるべく地の文の中に入れて、全体のスタイ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
雲水に向って教育をはじめた頃である。 彼がふと寺の縁に立つと、あの富士と自分と融け合う三昧が現前したのである。もう、そのときは彼には、こんなことは珍らしくもう....
かもめ」より 著者:神西清
りこんで、なんとなくあちらこちらとふらついて、彼らと生活を共にし、彼らと心理的に融け合ううちに、まさしく世界に遍在する一つの霊魂といったものが、あり得ると信じる....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
疑いが心の底に遺って、表面上差別の撤廃が行われたとしたところで、真に心から底から融け合うということが容易ではありません。 およそ人間どうしの交際の上で、「筋が....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
症療法によって、一旦表面の差別撤廃ができたとしましても、心から、底から、まったく融け合うということは、なかなか容易ではないと信ずるのであります。 次に昔のこと....