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「融通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

融通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
の知識を運転させてすぐに当面の実際問題への霊活《れいかつ》な解決を与え得るほど、融通の利《き》く頭脳の持ち主だとは遺憾ながら己惚《うぬぼ》れる事が出来なかった。....
或る女」より 著者:有島武郎
ローの宣言は立派に文字になって残っているけれども、法律というわけではなし、文章も融通《ゆうずう》がきくようにできているので、取りようによっては、どうにでも伸縮す....
或る女」より 著者:有島武郎
いたが、これなら大丈夫と見きわめをつけたらしく、 「少しばかりでいいんです、一つ融通《ゆうずう》してください」 と切り出した。 「そんな事をおっしゃったって、....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
どとそこに行き着く注意を繰返して、しまいに金が要《い》るなら川森の保証で少し位は融通すると付加えるのを忘れなかった。しかし仁右衛門は小屋の所在が知れると跡は聞い....
片信」より 著者:有島武郎
、両階級の間には、生活様式の上にも、それから醸《かも》される思想の上にも、容易に融通しがたい懸隔のあることを感じ、現在においてはそれがブルジョアとプロレタリアの....
星座」より 著者:有島武郎
一度に思い起してみた。それと同時に、何度も園からせびり取りながら、そして一時的な融通を頼むようなことをいつでもいいながら、一度も返済したことのない後ろめたさが思....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
のごとき算段によりて過ごしぬ。その三年ののちは、さすがに八方|塞《ふさ》がりて、融通の道も絶えなむとせり。 翌年の初夏金沢の招魂祭を当て込みて、白糸の水芸は興....
親子」より 著者:有島武郎
処に忘れて来たかと思うような笑い顔を取りもどして晩酌を傾けた。そこに行くとあまり融通のきかない監督では物足らない風で、彼を対手に話を拡げて行こうとしたが、彼は父....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ていて、そんな妓は居りません。……居ますが遠出だなんぞと来てみたが可い。御存じの融通が利かないんだから、可、ついでにお銚子のおかわりが、と知らない女を呼ぶわけに....
端午節」より 著者:井上紅梅
求せぬことや、直接受領せぬことを非常な清高な行いとして賞讃したが、わたしが五十円融通してくれと申込むと、たちまち彼の口の中へ一攫みの塩を押込んだようにおおよそ彼....
映画と音楽」より 著者:伊丹万作
あろう。そしてきわめて制限された長さの中へ最も効果的なメロディーをもりこむ機智と融通性がなくてはとうていこの仕事はやつて行けないだろう。 私は不幸にしてまだそ....
ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
。 そこへ行くと「ル・ミリオン」「幽霊西へ行く」の二作は、彼が彼の本領に即して融通無碍に仕事をしているし、形式と内容がぴつたりと合致して寸分のすきもない。完璧....
」より 著者:犬田卯
ある。すると森平親爺は、 「改革もへっちゃぶれも、もう出来るもんか。県連の方から融通受けた金の利子さえ払えなくて、毎期、俺たちのような下っ端の、文句のいえねえ人....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
花田 俺がそんなことでもして大きな儲けをしたら俗物とでもなんとでもいうがいい。融通のきかないのをいいことにして仙人ぶってるおまえたちとは少し違うんだから。……....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
。 河岸は不漁で、香のある鯛なんざ、廓までは廻らぬから、次第々々に隙にはなる、融通は利かず、寒くはなる、また暑くはなる、年紀は取る、手拭は染めねばならず、夜具....