融通無碍[語句情報] » 融通無碍

「融通無碍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

融通無碍の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
人間つまり一人の個人は形而上的には一人でも二人でもなく、恰かも水のように流動して融通無碍だというのである。唯その流動が永い間の惰性によって一点を中心として緊縮さ....
我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
固定観念に囚わるること勿れ、偏愛の馬を作ること勿れ。レコードに囚わるること勿れ、融通無碍しかも確固たる信念を失うこと勿れ。馬券の奥堂に参ずるは、なお剣、棋の秘奥....
ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
。 そこへ行くと「ル・ミリオン」「幽霊西へ行く」の二作は、彼が彼の本領に即して融通無碍に仕事をしているし、形式と内容がぴつたりと合致して寸分のすきもない。完璧....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
でございまして、それが、どうも腑におちませんのでございます」 「そのへんが妖怪の融通無碍なところであろうて。越後信濃は今年は不作で、だいぶ暇だそうだからの」 ....
金狼」より 著者:久生十蘭
《イリルミナシオン》を得た。旅費にこだわっているから動けないのだ。歩くつもりなら融通無碍だ。僕は歩いてゆく。……どこまでも歩いてゆく」 山瀬は憐れむように、ち....
勝負師」より 著者:織田作之助
だ。大阪の人らしい茶目気や芝居気も現れている。近代将棋の合理的な理論よりも我流の融通無碍を信じ、それに頼り、それに憑かれるより外に自分を生かす道を知らなかった人....