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「螢光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

螢光の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉の記」より 著者:上村松園
じるのである。 そして剃りたての青眉はたとえていえば闇夜の蚊帳にとまった一瞬の螢光のように、青々とした光沢をもっていてまったくふるいつきたいほどである。 そ....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
りから、長くうしろへむけてひろがっているこうもりのような翼が三枚。艇のぜんたいは螢光色にぬられていて、目がさめるほどうつくしい。尾部からと、翼端からと、黄いろを....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
はまた瀝青様の層があって、それに鉛筆の尻環を近づけると、微かながらさだかに見える螢光が発せられた。 「今までは、寝台の附近に、屍体のような精密な注視を要求するも....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いる間はそれに遮られていたけれども、月の位置が動いて堂が真暗になると、発光塗料が螢光色の光円を作って、凄愴な擬似後光を発光させたのだよ。勿論慈昶は仰天して逃げ出....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
」 蓬莱建介はダンサーをつれて赤羽夫人に近づいた。パートナーは驚いた。 青い螢光燈がお互の顔を青白くみせる。南原杉子と蓬莱建介である。 「ママ、もう一本ぬい....
登山の朝」より 著者:辻村伊助
昨日の跡が凸凹に凍っていて非常に歩きにくい、がそれがなかったなら、ぼーっと一面に螢光を放って、闇に終わる広い雪の斜面に、私たちは取るべき道を迷ったに相違ない。 ....
芝刈り」より 著者:寺田寅彦
を越えて芝生一面に注がれている。まっ暗な闇の中に広げられた天鵞絨が不思議な緑色の螢光を放っているように見える。ある時はそれがまた底の知れぬ深い淵のように思われて....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
も書くようになれば日本でも灸治研究が流行をきたすかもしれないと思われる。 (「螢光板」への追記) 前項「灸治」について高松《たかまつ》高等商業学校の大泉行雄《....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
思われるのである。 なお拙著「蒸発皿」に収められた俳諧や連句に関する所説や、「螢光板」の中の天災に関する諸編をも参照さるれば大幸である。 (昭和十年十月、東洋思潮)....
B教授の死」より 著者:寺田寅彦
れは球形磁石の磁場のためにその経路を彎曲され、球の磁極に近い数点に集注してそこに螢光を発する。その実験装置のそばに僧侶のような黒頭巾をかぶったB教授が立って説明....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
の午前三時。 見あぐれば淡い新月に照らされて、碧玉随《へきぎょくずい》のような螢光を発し、いまにも頭の上に落ちかかろうとする怪偉な山容は、これぞアルプスの大伽....