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「螽斯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

螽斯の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
した賓客達は、廊下へ向けて開けられてある――真鍮の格子で鎧われた横方形の窓口へ、螽斯のように飛んで行って、声の主を見ようとした。しかし姿は見えなかった。それは廊....
田舎教師」より 著者:田山花袋
人々はよく見かけたが、このごろでは、もうどっと床について、枕を高く、やせこけて、螽斯のようになった手を蒲団の外になげだすようにして寝ているのが垣の間から見える。....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
を抱く手あいもあるからであろう。 虫と河鹿 松虫、鈴虫、轡虫、さては草雲雀、螽斯なんど、いずれ野に聞くべきものを美しき籠にして見る都びとの風流は、今も昔に変....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
神様が、黒雲の中を、大な袖を開いて、虚空を飛行なさる姿が、遠くのその日向の路に、螽斯ほどの小さな旅のものに、ありありと拝まれます。 だから、日向で汗ばむくらい....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
船の腹から離れようとしない。そこで縄梯子を引っかける。それを伝たわって甲板の上へ螽斯のように躍り込む。拳銃を五、六発ぶっ放す。これで仕事は終えたのさ。どうやら僕....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
》、やい!」と、いきなり扉《ドア》越しにコン吉の脇腹を小突《こづ》いた。コン吉は螽斯《ばった》のように飛びあがって、 「お助け下さい」と、手を合せた。 男は、....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
鴨跖草即ち「つゆくさ」を、蛍草ともギイスグサとも呼んでいた。ギイスはきりぎりす、螽斯、はた織虫のことであり、蛍草の名は東京でも知られている。この二種の虫を籠に入....