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「蟠踞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蟠踞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
近時政論考」より 著者:陸羯南
て高談雅話に閑日月を送る。ここにおいて政府の反対者たる政事家はただ九州と四国とに蟠踞していわゆる西南の天には殺気の横たわるを見るに至れり。吾輩は第二期の政論派す....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
て眉をひそめた。冤枉八年と大呼して監獄の名が刑務所と改まっても依然として未決監に蟠踞して、怒号し続けている支倉は、看守達に取っては好い客ではなかった。 「兎に角....
蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
とならべられた函のなかにはそれぞれ八本の足をつけた怪物がおもいおもいに網をはって蟠踞していた。大形のおにぐもなど、あらゆる種類の蜘蛛が、一月ほど餌をあたえられな....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
まり有名過ぎるじゃないか。あんなのを奇人快人の店に並べる手はない。明治史の裡面に蟠踞する浪人界の巨頭じゃないか。維新後の政界の力石じゃないか。歴代内閣の総理大臣....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
、海の向うの朝鮮、大明、琉球から南海の果まで手を伸ばしている大腹中のしたたか者の蟠踞して、一種特別の出し風を吹出し、海風を吹入れている地、泣く児と地頭には勝てぬ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
った弁信が、杖を立てて踏み止まったところから、ある僅少の距離を隔てて、荒草の間に蟠踞《ばんきょ》していたところの巨大なる切石のはざまにうずくまって、丸くなって寝....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
きの雲先案内の首がますます太くなる。 君! もっともっとスピイドを出したまえ!蟠踞する丘と玉突台のような牧場と。 部落。 共有地。 並木。 小市街。 ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
味があったので――。 天下を平定して、八世を経てはいるが、外様の大大名が辺国に蟠踞《ばんきょ》している。外様とのみいわず、諸侯はみな、その地方では絶大の権力を....
狼疾記」より 著者:中島敦
地の悪い存在のように、その濃紺の背広の襟《カラー》と短く刈込んだ粗い頭髪との間に蟠踞《ばんきょ》した肉塊――宿主《やどぬし》の眠っている時でも、それだけは秘かに....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
り、その中には桐兵衛一味がいて、いずれも捕らえられて殺された。 「処女造庭境」に蟠踞していた唐姫の一党はどうしたか? 信長に楯突くの非を悟り、関東の方へ居を移....
剣侠」より 著者:国枝史郎
籠を出た。 (西野郷には馬大尽事、井上嘉門という大金持が、千頭ほどの馬を持って、蟠踞しているということだ。それが源女のいう所の、酒顛童子のような老人かも知れない....
香熊」より 著者:佐藤垢石
国境に近く、東北に八千尺の白根火山が聳え、西に吾妻山、南に鳥居峠を挟んで浅間山が蟠踞している山また山の辺境だ。 さらに、その奥の渓に干俣という部落がある。ここ....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
赤城の山襞に、永遠の生を続けているであろう。 赤城の左の肩には、利根郡の中央に蟠踞する雪の武尊山が、さむざむとした姿をのぞかせている。仏法僧で名高い武尊の前山....
」より 著者:岡本かの子
みがあり、他方は少し高くなり、庭隅の一本の頑丈な巨松の周りに嵩ばった八ツ手の株が蟠踞している。それにいくらか押し出されて深紅の花にまみれた椿が、敷石の通路へ重た....
」より 著者:中谷宇吉郎
余り遜色《そんしょく》がないように思われる。徳川三百年、全国に三百余侯がそれぞれ蟠踞《ばんきょ》して、何千人かの人々が、殿様たる地位に生れ、多くの家臣に仕えられ....