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蠍
「蠍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蠍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
んやりかかりまっ黒な南の地平線の上では殊《こと》にけむったようになってその右には
蠍座《さそりざ》の赤い星がうつくしくきらめき、そらぜんたいの位置はそんなに変って....
「双子の星」より 著者:宮沢賢治
でもとてもあそこまでは行けません。けれども、天《てん》の大烏《おおがらす》の星や
蠍《さそり》の星や兎《うさぎ》の星ならもちろんすぐ行けます。 「ポウセさんまずこ....
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
て行《こう》に勇《ゆう》なるものであった。いざ喧嘩だとなると身構えが違ってくる。
蠍《さそり》のように少年に飛びついた。少年ははっと身をかわして腰の一刀を抜こうと....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
しながら、すでに煩多《はんた》なる死法則を形成した保守的社会にありては、つねに蛇
蠍《だかつ》のごとく嫌われ、悪魔のごとく恐れらるる。これ他なし、幾十年もしくは幾....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
れそうもない蔦葛の密生で、空気は、マラリヤをふくんでどろっと湿っけている。大蟻、
蠍、土亀の襲撃を避け猿群を追いながら……、よくマヌエラがゆけたと思うほどの、難行....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
持上げようとすると、今度は、思いもかけぬ鼻の先に、前の章魚よりも何十層倍大きな海
蠍の鋏が詰め寄って来る。スワ又一大事と身を飜えして逃げようとすると背中から雲かと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
く相近きに産するところの物有無異同あり。例せばシフノス島には毒蛇あり、ケオス島に
蠍《かつ》、アンチパロス島には蜥蜴のみありて全く蛇なし(ベントの『シクラデス』九....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
うらしい。 それからアリストテレスの『動物史』、八巻二八章に、カリア等に産する
蠍《さそり》はよく牝豕を殺す。牝豕は他の毒虫に螫《さ》さるるも平気だ。殊に黒い牝....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
かれてしまった。 昼のあいだ、太陽が情け容赦もなくすべての生物を焼き殺すので、
蠍が石の下にもぐり込んで気違いのようになって物を螫したがっている時にでも、ラザル....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
か。病気は医者を遠ざけるのいわれがあるだろうか。蝮《まむし》や蝙蝠《こうもり》や
蠍《さそり》や蚰蜒《げじげじ》や毒蜘蛛《どくぐも》などを研究することを拒み、「実....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
った。
幸福の最中に突然そういう秘密を知ることは、あたかも鳩《はと》の巣の中に
蠍《さそり》を見いだすがようなものだった。
マリユスとコゼットとの幸福は、今後....
「ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
物によって、双魚座、宝瓶宮《ほうべいきゅう》、磨羯宮《まげつきゅう》、射手座、天
蠍《てんけつ》宮、天秤《てんびん》座、処女座、獅子宮、巨蟹《きょかい》宮、両子宮....
「銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
や瓶《びん》の形に書いた大きな図《ず》がかかっていました。ほんとうにこんなような
蠍《さそり》だの勇士《ゆうし》だのそらにぎっしりいるだろうか、ああぼくはその中を....
「決闘」より 著者:神西清
まらなく暑い、退屈だ、淋しい。畠へ出れば出るで、どこの藪蔭にも石の下にも百足だの
蠍だの蛇だのがうじゃうじゃしている。さて畠の向うはといえば山と荒野だ。見たことも....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
、ちんちろりんが渓を隔てて鳴き合っている。北斗はいつしか傾き、三ツ山の上に大きく
蠍《さそり》星が伸び上がっている。昨夜焼け跡の防空壕から仰いだアンタレスは不吉な....