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血と汗
「血と汗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血と汗の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
合った。周囲に沸き返っている、声とも音ともつかない物の響きと、その中に出没する、
血と汗とにまみれた人の顔と――そのほかのものは、何も目にはいらない。ただ、さすが....
「わが町」より 著者:織田作之助
ライヴ・ウェーに利用されだしたという噂が耳にはいった。 そんな目的でおれたちの
血と汗を絞りとっていたのかと、皆んなは転げまわって口惜しがり、工事が済むといきな....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
一、飯のことで文句を云うものは、偉い人間になれぬ。 一、一粒の米を大切にせよ。
血と汗の賜物なり。 一、不自由と苦しさに耐えよ。 振仮名がついた下手な字で、ビ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
…ああ何という凄惨な、冷血な、あくどい執念深い闘争であろう。……魂から滴り落ちる
血と汗の臭気がわかるような……。
……けれども……。
……けれども……。
こ....
「衣服と婦人の生活」より 著者:宮本百合子
いて労働賃金の高いところの生産品と競争した。近代日本の資本主義は実に少女労働者の
血と汗との上に立てられた。 明治維新は本当のブルジョア革命でなく、昔の殿様であ....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
うとしているこの棺桶の板をうち破りたい……。 「ううーッ……うぬッ」 八十助は
血と汗とにまみれながら、獣のように咆哮し、そして藻掻いた。 そのときだった。実....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
なった。 「あいつらは悪いことをして金をためていばってるんだ、あいつらはおれ達の
血と汗をしぼり取る鬼共だ」 その夜も夜学を休んだ、その翌日も……。 「おれがチ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ねたわけでも何でもない、自然天然に授かったので、人民を苦しめてしぼり上げた、その
血と汗のかたまったもの、お蘭さんのような自堕落な女に使われたがらないで、苦労人で....
「巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
ざまに苦しみ抜いた果ての体験から来る自戒の言葉ではあるまいか。とすれば、おまえの
血と汗の籠った言葉だ。言葉は普通でも内容には沸々と熱いものが沸いている。戒めとし....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
すると離縁したのかね」 「いゝえ。時々金をせびりに行きやがるそうで、十銭二十銭の
血と汗の銭をせびって消えて行きやがるそうです」 女房の実家できいてみても同じ程....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
ひとつの〈島〉にすぎない。〈国〉でもないのに国旗をあげる権利はない。あたしたちの
血と汗で日の丸を染め、新しい日章旗をつくりだすまで、国旗にもお別れだ。 ヴェラ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
っていた。鬢止めに締めている額の布は、汗と血で、桃色に滲んでいた。髪は崩れてその
血と汗に貼りついて見える。ために、彼の形相は、たださえ恐ろしくなっているところへ....