血の出るよう[語句情報] » 血の出るよう

「血の出るよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血の出るようの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、苦しい一日一日を暮らしているに違いない。そしてまた落ち込もうとする窮境の中から血の出るような金を欠かさずに送ってよこす。それを思うと、古藤がいうようにその金が....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
笠原図書頭が意見をいれ、同じ留守役の水戸|慶篤とも謀って、財政困難な幕府としては血の出るような十万ポンドの償金をイギリス政府に払ってしまった。五月の三日には藩主....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
、あなた様たちの楽しそうな様子を見るにつけても、よし今夜こそはと店の金をごまかし血の出るような無理算段して、私のほうからあなた様たちをお誘い申し、そうしてやっぱ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
部生命の統一を求めて彷徨しなければならない。じつにわれらは日々の現実生活において血の出るような人格の分裂を経験せずにはいられない。この素より分かつべからざる有機....
超人間X号」より 著者:海野十三
おどろいたように叫んだ。 「それじゃあ、実験はすんだんだね」 戸山少年は、唇を血の出るようにかみしめて、しきりに首をひねっている。 「ちょっと、便所へ行くふり....
大阪発見」より 著者:織田作之助
。そうしてこれがいちばん大阪的であると私が思うのは、これらの文楽の芸人たちがその血の出るような修業振りによっても、また文楽以外に何の関心も興味も持たずに阿呆と思....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
はじめて吾等は皇子の御詞に接するのだが、それは皇女の御墓についてであった。そして血の出るようなこの一首を作られたのであった。結句の「塞なさまくに」は強く迫る句で....
」より 著者:田中貢太郎
しまった。久兵衛は呆然としてつっ立った。よしなき慾心を起したばかりに、女を売った血の出るような金を無くしてしまった。愚かな農夫は声をだして泣いた。 陽が落ちて....
海亀」より 著者:岡本綺堂
じように、僕たちの舟はだんだんに沈んで行くのほかはない。無益とは知りながら、僕は血の出るような声を振りしぼって救いを呼びつづけたが、なにぶんにも岸は遠い。僕が必....
次郎物語」より 著者:下村湖人
だけあって、お前なんかのように二日も三日もひねりまわしてはいないよ。そこが遊びと血の出るような体験とのちがいでね。」 「まあ、遊びだなんて。」 と、奥さんは、....
次郎物語」より 著者:下村湖人
えで、先生ご自身としては、まだ決してあきらめてはいられない。おそらく今もどこかで血の出るような努力をつづけていられることだろう。田沼先生という方はそういう方なん....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
たのかいずれにしてもあまり余った金ではない証拠に、為替に添えた手紙には、いずれも血の出るような金を手ばなす時の表情がありありと見え、どうぞよろしくと、簡単な文句....
錦紗」より 著者:犬田卯
自分はいわゆるぼんやり者、抜け作の部類に属するとしか考えられぬ。そうだわ、だから血の出るような思いをしてこしらえた金も失くしてしまうのだし、お嫁の話もかけてくれ....
飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
百軒あまりから集った金が僅か二十円足らずであったそうですが、そしてこの金こそ全く血の出るような金ですが、それを全部、在満の軍人へ送ってしまったのです。この純朴な....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
」という私の同郷の、札幌の農科大学を出た友人からの手紙なのです。三年昔の苦しい、血の出るような思い出が急に心に蘇りました。H・Hはたしかに結婚したはずです。して....