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血みどろ
「血みどろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血みどろの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
時、次郎はすでに馬背にあって、ひしと兄の胸をいだいていた。
と、たちまち一頭、
血みどろの口をした黒犬が、すさまじくうなりながら、砂を巻いて鞍壺《くらつぼ》へ飛....
「或る女」より 著者:有島武郎
のように、倉地の胸にしがみついた。できるならその肉の厚い男らしい胸をかみ破って、
血みどろになりながらその胸の中に顔を埋めこみたい――そういうように葉子は倉地の着....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
時間ばかり経った。 ドレゴは再び目をさまさなければならなくなった。それは異様な
血みどろの悪魔が、彼を包んでしまってその恐ろしさと苦しさにどうしても目をさまさず....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
。 それはそれとして、二人の姿が、戸外の闇に紛れて、見えなくなった丁度その時、
血みどろに染った二つの死骸が転っている実験室では、真夜中の十二時を報ずる柱時計が....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
人の様子をよく見て行って話をせねばならないと思ったので、私は無理に気を励まして、
血みどろの被害者の顔を改めて見直した。 「おお、これは……」 と私は駭きに逢っ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
上に重なって倒れた。 僕はそれから幾分たったか知らない。ふと気がついて見ると、
血みどろになって一人でそこに倒れていた。呼吸はもう困難どころではなくほとんど窮迫....
「金属人間」より 著者:海野十三
しは探偵|蜂矢十六《はちやじゅうろく》という者である。 密室の事件 この
血みどろな事件を、あまりどぎつく記すことは、さしひかえたい。これはそういう血みど....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
の下に落ちて、横腹に大負傷をしたのである。薄地セルの華奢な背広を着た太った姿が、
血みどろになって倒れて居るのを、二人の水夫が茫然立って見て居た。 私の心にはイ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
くれた小さなものを虐げました。うってがえしに、あの、ご覧じ、石段下を一杯に倒れた
血みどろの大魚を、雲の中から、ずどどどど!だしぬけに、あの三人の座敷へ投込んで頂....
「橋」より 著者:池谷信三郎
がいい、ってそう言うのよ、その女は。それが自然の法則だ。自分たちは自分たちだけで
血みどろだ、って。だから、私が共通な悩みっていえば、人間は、ちょうど地球自身と同....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
れでも見得があるから、お前、松明をつけて行って見ろ、天狗の片翼を切って落とした、
血みどろになった鳶の羽のようなものが落ちてたら、それだと思えなんて、血迷ってまさ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
が一斉に離座敷を引包んだようでしょう、……これで、どさりと音でもすると、天井から
血みどろの片腕が落ちるか、ひしゃげた胴腹が、畳の合目から溢出そう。 幸い前の縁....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
人が叫んだ。 「大変だッ」 そこには古い熊の巣穴があった。その中に六次三郎が、
血みどろになって死んでいた。ことごとく刃物の傷であった。 だが、直芳と小露との....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
イのと持掛けられるにはクサクサする」と苦り切っていた。 『浮雲』を書いた時は真に
血みどろの真剣勝負であった。『あいびき』や『めぐりあい』を訳した時は一刀三礼の心....
「想い出」より 著者:上村松園
を見失いかけ、悩みに悩み、傍ら今申しました漢学の勉強など致し、その頃は、それこそ
血みどろの戦いでございました。楳嶺先生とは師縁が薄く、足掛二年、明治二十八年私が....