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「血も涙もない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血も涙もないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
く、例の有力者は何かしら悔恨に似た感じを抱いたということである。彼とてもけっして血も涙もない人間ではなかった。ともすれば、官位がそれを表白することを妨げがちであ....
怪夢」より 著者:夢野久作
父親は世間から狂人扱いにされていた。それは仕事にかかったが最後、昼夜ブッ通しに、血も涙もない鋼鉄色の瞳をギラギラさせる、無学な、醜怪な老職工だからであった。それ....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
れを、それを、只の御近侍衆のように、不義はお家の法度、手討ちじゃと言わぬばかりな血も涙もないお仕打ちは、憎らしゅう厶ります。殿様乍らお憎らしゅう厶ります」 ―....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
時中止されて、無気味な静寂。 札木合《ジャムカ》 (黙考の後)出世に焦って、血も涙もない成吉思汗《ジンギスカン》だ。ことには、仔細あって、われに含むところの....
オンチ」より 著者:夢野久作
き付かれて、半狂乱に暴れている光景……それを通じてわかる白入道の超人的な怪力と、血も涙もない冷静な怒り……見ている連中は石のように固くなってしまった。 「……幽....
悪魔祈祷書」より 著者:夢野久作
を読んで行くうちに、自分の首を絞られるような気持になってしまいましたよ。西洋には血も涙もない悪党が多い。生肝取りだの死人使い、奴隷売買、人殺し請負いナンテものは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
乗せて、これを苦しめたものだ。 それだけを聞いていると、いかにも農民に対して、血も涙もない遣《や》り方のように聞える。徳川家は、農民を見ること牛馬以下であって....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
馬に乗せてこれを苦しめたものだ。 それだけを聞いていると、いかにも農民に対して血も涙もないやり方のように聞える。徳川家は農民を見ること牛馬以下であって、農民に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、近藤に会ったものは、必ず認識を改めるのを例としているのだ、彼を以て殺伐一方の、血も涙もない殺人鬼の変形のように見るのは当らない。まあ、この一軸を見給え。見給え....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
六は大狸だと気がついた。大狸、大泥棒、まさしく宿六は金銭の奴隷、女郎屋のオヤヂ、血も涙もない、金々々、女房にかせがせておいてお金はみんな自分のふところへ入れ、自....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
りたいにきまってらアな。犯人は千代の兄、天鬼だぜ。彼こそは犯罪の鬼才にめぐまれ、血も涙もない強慾者だ。弟地伯を巧みに勘当した手際を見ても大胆不敵の悪略鬼謀が知れ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
爵の長男周信、これが立派な身ナリをカンバンに悪事を商売にしているシタタカな男で、血も涙もない奴だから、 「タンポにはいってないのは芝の寮だけだ。日本橋の店も土地....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
出来事なんです」 「失礼ですが、お父様と仰有る方は?」 「高利貸の後閑仙七です。血も涙もないので名高い父ですが、わが子に対してもそうなんですよ」 「すると千石旅....
魔像」より 著者:林不忘
うなお妙のたんか――「お父《とっ》つぁん、十|手《て》、十手、十手というものは、血も涙もないんでございましょうかねえ――しっかりして下さいよ。この人は、あたしの....
夜光虫」より 著者:織田作之助
―という言葉があてはまる。たしかに、むごすぎる。 さすがの小沢も、 「おれは今血も涙もない、非情の石ころになっているのかも知れないぞ」 と、もはや豹吉の顔を....