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「血を見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血を見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
切る――それを思うと、彼はなんだか腕がふるわれた。人を切った経験はたびたびある。血を見ることを恐れるおれではないと思いながらも、八橋を切ることは次郎左衛門に取っ....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
ったが、余りにしつこくつきまとうので、仕方なく一刀を肩口に見舞うた。 老人は、血を見ると、一種の陶酔から覚めて命が惜しくなったらしく、急に悲鳴を挙げながら逃げ....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
しさには、いつとなく受け損じて、最初の一太刀を、左の頬に受けたのである。が、一旦血を見ると、市九郎の心は、たちまちに変っていた。彼の分別のあった心は、闘牛者の槍....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の風潮に反して会戦を相当に使ったのでありますが、さすがのフリードリヒ大王も、多く血を見る会戦では戦争の運命を決定しかね、遂に機動主義に傾いて来たのであります。 ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ただしい羽音が聞こえた。 この案山子になど追えるものか。 バスケットの、蔦の血を見るにつけても、青い呼吸をついてぐったりした。 廊下へ、しとしとと人の音が....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
かぎましたが、やがて笑い出しました。 「はゝ、これは血でござりますな。御具足櫃に血を見るはおめでたい。はゝゝゝゝ。」 入物が鎧櫃であるから、それに取りあわせて....
黒百合」より 著者:泉鏡花
はははは。やあ、苦しがりやあがって、島野さんの首っ玉へ噛りついた。あの人がまた、血を見ると癲癇を起すくらい臆病だからね。や、慌ててら、慌ててら、それに一張羅だ、....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
に時間通りに来たな。よろしい、よろしい、それはよろしい。ふん、やっぱりお前達も、血を見るのは厭だと見える。あたりめえだ、誰だって厭だ。お互い命は大事だからな。粗....
剣侠」より 著者:国枝史郎
それを喞っていた折柄であった。切り合う相手が現われた。理非曲直は二の次である、血を見ることが出来、切り合うことが出来る、これだけでもう満足であった。 「やれや....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
のがれようとしているあの男だ! それが隣り部屋を見ているのだ! 兇暴になろうぞ、血を見ることになろうぞ!」 「お聞き、あのお方の声が聞こえる」はたして声が聞こえ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
鳴った。 もともと臆病な丹造は、支店長の顔を見るなりぶるぶるふるえていたが、鼻血を見るが早いか、あっと叫んで、小柄の一徳、相手の股をくぐるようにして、跣足のま....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
られんのだ』 おさき『わたしにも、そう思われます』 源右衛門『すれば、誰かしらの血を見ることじゃ』 おさき『おお、誰かしらの………』 源右衛門『なあ、おさき』 ....
三つの痣」より 著者:小酒井不木
は、私以外には一人もないだろうと思って居ります。 サヂズムを持った人間は、通常血を見ることを非常に好むといわれて居りますが、私は特に血を見ることを好むというほ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の疵瑕を感ずるに余りに鋭敏な作者は、丁度神経過敏家が卯の毛で突いたほどの負傷でも血を見ると直ぐ気絶するように、自分の作が意に満たないと坐ても起ってもいられなかっ....
耳香水」より 著者:大倉燁子
でしたが、中途から噂が変って、金を奪うためのみではない。血を好むのだ。彼の目的は血を見るにある。女の血、美人の血。白い皮膚がパッと紅に染まる瞬間の美、それは彼に....